2013 Fiscal Year Research-status Report
非線形射影の視点からの極大単調作用素の零点問題の研究
Project/Area Number |
24740075
|
Research Institution | Tsuruoka National College of Technology |
Principal Investigator |
茨木 貴徳 鶴岡工業高等専門学校, その他部局等, その他 (90345439)
|
Keywords | 距離射影 / タイプ(P)型写像 / 極大単調作用素 / 不動点近似法 / 近接点法 / バナッハ空間 |
Research Abstract |
今年度は「1.タイプ(P)型写像の縮小射影法による不動点近似法の考察」「2.ブレグマン距離を用いたタイプ(R)型の近接点法の考察」を行った.1に関してはこれまでの研究を発展させ点列を構成する際に誤差を認めた不動点近似法を考察した.近接点法の点列構成には極大単調作用素から生成されるリゾルベント作用素を利用する.これは逆写像を用いた定義のため, 実際にリゾルベント作用素の値を求めるのは困難な場合がある.それゆえリゾルベント作用素の値から誤差を認め点列を構成する方法は実用性が高くなると考えられる. タイプ(P)型写像の不動点近似法において誤差を認めた点列構成での収束性が考察でき,現在論文執筆中である.この結果は近接点法への適応も期待でき継続して研究を続けている.また,2に関してはタイプ(R)型写像はタイプ(P)型写像との間に恒等写像との差を取ることで裏表の関係にあることが知られいる.タイプ(P)型写像の解明は難解であるので, あらゆる角度からタイプ(P)型写像の解明を行うために進めている研究である. これに関しては, 昨年度得られた不動点近似法の結果を進展させ近接点法へ適応が期待できることが確認でき 継続して研究を続けている.また, 国際会議や国内の研究集会に参加することで, 関連する研究分野の研究者と広く議論することで不動点近似法および近接点法の点列の構成方法に関する考察を行うことができた.1に関する成果はこのような議論の場で得られた成果である.
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
現時点において, 研究の達成度は「おおむね順調に進展している」と評価できる. その理由は当初の計画にある本年度の「実施計画」および昨年度報告書の「今後の推進方策」に沿って研究成果を得たことにある. 第1の計画「タイプ(P)型写像に関する近接点法の多角的な視点からの考察」はタイプ(P)型写像と表裏の関係にあるタイプ(R)型写像に関する近接点法の考察を行えたことにある.第2の計画「タイプ(P)型写像の不動点近似法に関する性質の解明」と第3の計画「不動点近似法の理論構築」は新たな誤差を認める不動点近似法の考察が行えたことである.この新しい手法は近接点法への適応の期待できることもわかり,来年度以降への成果を期待できる.
|
Strategy for Future Research Activity |
前年度に引き続きバナッハ空間における距離射影に関連する近接点法の解明を行うことである. 平成26年度の計画としては第1に「タイプ(P)型写像の不動点近似法に関する性質の解明」第2に「タイプ(P)型写像の近接点法に関する性質の解明」第3に「タイプ(P)型写像に関する近接点法の多角的な視点からの考察」である. 第1,2に関しては前年度考察できた誤差付きの不動点近似法の成果を得て,それを近接点法にまで適応することである.その他には縮小射影法以外での近接点法の考察も行う予定である.第3に関しては前年度も考察していたブレグマン距離を用いたタイプ(R)型写像の近接点法の成果を得ることである.さらに, 平成26年度も前年度に引き続き国際会議及び国内の研究集会に積極的に参加し研究成果の発表を行う.その際には, 関連分野の国内外の研究者たちと幅広く意見交換および情報収集をおこなう予定である.
|
Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
平成26年4月より鶴岡工業高等専門学校から横浜国立大学へ異動することになった.遠方への異動に伴う当初計画の予定外の負担が生じた.金額的に比較的大きいのは旅費である.主には情報収集・情報交換を目的とした年度末に参加予定であった日本数学会の年度会,京都大学数理解析研究所への学会参加を中止したことである. 翌年度分として請求した助成金と合わせた使用計画は国際会議・国内研空集会への参加等の旅費,関連書籍の購入,論文投稿料に利用予定である.特に,次年度使用額は,これまで業務の都合や交通の便の問題で回数が限られてい国際会議・国内研空集会への参加や国内研究者との研究打ち合わせの回数を増やす予定である.使用計画全体で比較的金額が大きいのは旅費だが, 現時点で予定しているのは台湾(8月)及びタイ(1月)での国際会議への参加,京都(8月)及び広島(9月)の国内研究集会への参加,千葉大学及び東邦大学での研究打ち合わせ等である.
|
Research Products
(8 results)