2013 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
24740088
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
冨田 直人 大阪大学, 理学(系)研究科(研究院), 准教授 (10437337)
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Keywords | 多重線形作用素 / 擬微分作用素 / フーリエマルチプライヤー |
Research Abstract |
調和解析 (実解析) の分野では,2000年頃から線形の理論を多重線形の理論へと拡張する研究がメインテーマの一つとなっている.調和解析における線形から多重線形への理論の拡張は,単なる一般化などではなく,調和解析の問題として眺めても非常にチャレンジングであるし,また応用面から眺めても偏微分方程式論の発展の可能性を大いに秘めている.本研究では多重線形調和解析における有界性定理の精密化を目標とし,また最新の多重線形理論の偏微分方程式への応用を探っている. これまでの多重線形理論は,マルチプライヤーや積分核に対して,十分な滑らかさであったり,弱い特異性の下に構築されてきた.この申請課題で扱う内容は,本当にそれらの限られた状況の下でしか議論が展開できないのかを検証し,その限られた状況を出来る限り一般の状況へともって行くことを目標としている.具体的には,多重線形フーリエマルチプライヤー作用素の有界性に対し,シンボルが持つべき最小の滑らかさの条件の決定や,より強い特異性を持つシンボルを取り込むことを目指している. 平成25年度は,東京女子大学の宮地晶彦教授と共に,flag paraproductと呼ばれる極めて特異性の強い多重線形フーリエマルチプライヤー作用素の研究を行った.これまでに知られていたルベーグ空間上での有界性定理が,ハーディー空間においても成り立つことを示すことに成功した.現在もこのテーマを研究中である.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
Flag paraproductに関する新しい結果を得ることに成功した.特に3重線形の場合には,ルベーグ空間のスケールにおいて,いつ有界性が成り立つのかを明らかにした.
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Strategy for Future Research Activity |
今の段階では,3重線形のflag paraproductしか扱えていないが,今後は一般の多重線形の場合を扱っていきたい.
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
予定していた中国出張がなくなったため. 研究打ち合わせ費用として使用する.
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Research Products
(6 results)