2014 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
24740090
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Research Institution | Kochi University |
Principal Investigator |
小野寺 栄治 高知大学, 教育研究部自然科学系, 准教授 (70532357)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 分散型偏微分方程式 |
Outline of Annual Research Achievements |
昨年度までの研究に引き続き、コンパクトリーマン面上の曲線流を記述するある4階非線型分散型偏微分方程式の初期値問題の解法を考察した。リーマン面の断面曲率が一定である場合の時間局所解の存在については解決済みであったが、解の一意性についてはリーマン面が実2次元球面である場合を除いて未解決であった。今年度の当初は、この球面値モデルが完全可積分系になる場合の時間保存量について情報収集および計算を行った。また、解の一意性が従う多様体の枠組みを定曲率リーマン面に拡張できるか検討を行った。その後、研究の進捗状況を考慮して、一意性まで解決した実2次元球面上の閉曲線流に関して先に論文にまとめることにした。元々はケーラー多様体上の曲線流が念頭にあったので誘導束の断面に対するソボレフ空間で見通し良く解を構成していたが、球面上の曲線流に特化した論文を作成するためにリーマン幾何学を表面上は用いずに3次元ベクトル値関数に対する標準的なソボレフ空間で解を構成する証明を作り直した。そのぶん証明が煩雑になってしまった面もあるが、球面値モデルに関する先行研究では完全可積分系になる場合の時間局所的弱解の存在のみ得られていたのに対し、本研究では完全可積分系にはならない場合も含めて滑らかな時間局所解の存在と一意性を与えている。一方で、この論文の作成に時間を要してしまったこともあり、肝心の定曲率リーマン面上の閉曲線流の初期値問題に対する解の一意性については次年度へ持ち越しとなってしまった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
定曲率リーマン面上の閉曲線流の一意性の解決が次年度に持ち越しになったため。
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Strategy for Future Research Activity |
・球面値の閉曲線流については時間大域解の存在証明も考察する。 ・閉曲線流の一意性を考察する。 これらが解決し次第論文にまとめて成果を報告したい。
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Causes of Carryover |
出席を予定していた研究集会と学内の用事とが重なり出張をキャンセルすることが多かったため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
最終年であるので早めに使用させていただいて2月や3月はその成果をまとめることに専念できるようにしたい。次年度は学内の業務も比較的調整しやすくなり今年度のようなことはないと期待している。
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Research Products
(1 results)