2014 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
24740095
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
戸松 玲治 北海道大学, 理学(系)研究科(研究院), 准教授 (70447366)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 作用素環 / von Neumann環 / 量子群 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度はまず,九州大学の植田好道氏との共同研究において,fullなIII_1型因子環の不変量である,タウ不変量について研究をした.タウ不変量は,実数の集合に入る位相であり,通常の位相よりも一般には弱い.このタウ不変量が自明,すなわち通常の位相と同一であるときに連続なcoreがfullであることが従うのか,ということが主たる問題である.ちなみに逆向きの命題は既知の結果である.我々は自由積因子環については,この問題は肯定的解決を持つことを示した.我々のアプローチは,一度モジュラー自己同型群の整数部分群によって接合積を取り,問題をIII_lambda型因子環(融合積因子環となる)のfullnessに言い換え,さらに自由積の特殊事情を用いて,このIII_lambda型因子環の中心列環を記述することであった.これといくつかの基本的な不等式によってIII_lambda型因子環のfullnessを証明できる.この結果は,fullなIII_1型因子環のタウ不変量と連続なcoreとの間に密接な関係があることを示唆している.さらに研究することはfullなIII_1型因子環の理論の発展のために重要である. また,京都大学の小澤登高氏,大阪教育大学の岡安類氏との共同研究において,von Neumann環のHaagerup性をbimoduleを用いて特徴付けることに成功した.これにより,先に岡安氏と私の共同研究で得られていた結果(条件付き期待値とHaagerup性の遺伝性)の鮮やかな別証明を与えることができた.さらに局所コンパクト量子群のHaagerup性が,その双対量子群の関数環のHaagerup性を導くことも示した.この結果は,bimoduleによるアプローチの強力さを示唆しており,property (T)など他の性質についても考察をすることも意義があるであろう.
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Research Products
(1 results)