2013 Fiscal Year Research-status Report
体積保存部分的双曲型力学系に付随する不変葉層の絶対連続性とエルゴード性
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24740105
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Research Institution | Kyushu Institute of Technology |
Principal Investigator |
平山 至大 九州工業大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (50452735)
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Keywords | エルゴード性 |
Research Abstract |
一般に,確率測度を保つ変換の反復合成が生成する力学系が与えられたとき,その測度に関する力学系のエルゴード性の判定は基本的な問題である.本研究では,コンパクト多様体上の体積(あるいはそれに絶対連続な測度)を保つ可微分写像の反復合成が生成する離散力学系のエルゴード性について取り組む.ただし,体積は双曲型であることを仮定する.すなわち,ほとんどすべての点でゼロのLyapunov指数をもたないことを仮定する.この仮定の下,一般論から,力学系は安定葉層および不安定葉層とよばれる不変な可微分葉層対をもつことが知られている. これまでの研究で,ほとんどすべての点を通る安定葉および不安定葉が少なくとも一つの横断的交差をもつ場合には初めに与えていた双曲型確率測度はエルゴード的であることを確認していた.また,横断性の仮定が無い場合であっても,不安定葉層の次元がほとんどすべての点について一定あればやはりエルゴード的であることも確認した. 本年度は以上の研究成果をまとめ,さらに,4次元トーラス上に,これまでに本研究で確立した一般論が適用可能なある具体的な力学系の例を構成した.構成した例は部分的双曲型とよばれる力学系の例でもある.この意味で本研究の部分的双曲型力学系のエルゴード性問題への応用の一例も示すことができた.以上の成果をまとめた論文(鷲見直哉氏と共著)を作成した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
双曲型確率測度を保ち,安定葉層および不安定葉層の交差に関する条件をもつ可微分力学系のエルゴード理論に着いて確立してきた一般論を,部分的双曲型力学系に適用することも本研究目的の一つであり,それに関してわずかではあるが成果をあげることができた.また共著論文を作成できた(投稿中). 一方で,一般の部分的双曲型力学系と本研究との関連はまだ明らかに出来ていない.また依然として,不安定葉層の次元に関する条件を外す問題が残っている.
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Strategy for Future Research Activity |
これまで本研究で考察してきた,安定葉層および不安定葉層の交差に関する条件を,他の言葉で言い換えることができないか考察する.もう少し具体的には,これまでは点ごとに定義していた安定葉層および不安定葉層の交差に関するを,点に依存しない形で定式化できないかを考察する.この新たな定式化によって,部分的双曲型力学系のエルゴード問題と本研究の関連性がより明確になるのではないかと推察する.
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Research Products
(1 results)