2016 Fiscal Year Annual Research Report
Classification theory of C*-algebras over finite spaces
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24740109
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
勝良 健史 慶應義塾大学, 理工学部(矢上), 准教授 (50513298)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 数学 / 関数解析 / 作用素環 / 分類 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成28年度は,国内の研究集会に数多く参加し,本研究でこれまでに得られた成果の発信に努めた.特に京都では,Warped crossed productsに関する発表と魔法陣C*環に関する発表を行った. さらに今年度では,グラフ環のK理論的不変量としてどのようなものが出てくるかを完全に決定したアイラーズ氏,トムフォード氏,ウェスト氏との共同論文がTransactions of the American Mathematical Societyに掲載された.グラフ環は有限空間上のC*環の興味深い例を数多く提供している重要なC*環のクラスである.グラフ環のイデアル構造やK理論的不変量は,全てグラフの言葉で記述することができ,グラフ環がいつ有限空間上の緊密な(つまり有限空間の全ての点の上で単純となっている)C*環になるのかということも,グラフの言葉で記述することができる.しかし,どのようなK理論的不変量がグラフ環のK理論的不変量として得られるかという問題については,部分的な必要条件が知られているだけであった.本研究の研究代表者はアイラーズ氏,トムフォード氏,ウェスト氏と協力し,グラフ環のK理論的不変量として得られるための必要条件を列挙し,それらが実は十分条件であることを,与えられたK理論的不変量からグラフを構成することで示した.この構成において,代数的な問題を順序構造を考慮に入れながら解かなくてはいけないが,本研究の研究代表者はこれまでの関連する研究での経験をもとにその問題を解くことに成功した.この共同論文の結果は,本研究の大きな目的の1つである「グラフ環と呼ばれるC*環のクラスを,K-webを用いたK理論的不変量で分類する」ことに繋がる非常に有用な成果である.
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