2014 Fiscal Year Annual Research Report
可積分な離散ハングリー系に付随するアルゴリズムの高速化と理論解析
Project/Area Number |
24740110
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Research Institution | Shibaura Institute of Technology |
Principal Investigator |
福田 亜希子 芝浦工業大学, システム理工学部, 助教 (70609297)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 離散ハングリー戸田方程式 / totally nonnegative行列 / 固有値 / 原点シフト / 中心多様体 / 離散ハングリーロトカ・ボルテラ系 / 収束次数 / Newtonシフト |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は,ハングリー型離散可積分系に基づいて定式化された固有値計算アルゴリズムに対する高速化やそれに付随する理論解析を目的とし,以下の成果が得られた。 (1) 離散ハングリー戸田方程式の数理構造に基づき,totally nonnegative行列の固有値を計算するdhTodaアルゴリズムを提案している。dhTodaアルゴリズムに対する丸め誤差解析を行い,相対誤差の意味で高精度に固有値を計算できることが明らかとなった。 (2) dhTodaアルゴリズムに対して,原点シフトと呼ばれる収束の高速化手法を組み込み,その大域的収束性を示した。さらに,シフト量の計算方法として,Newtonシフトに基づく,反復毎にシフト量が改善されるシフト戦略を提案している。また,収束次数の解析も行い,弱2次収束することの理論保証を与えた。 (3) dhTodaアルゴリズムと数学的に等価であるqd型dhLVアルゴリズムの収束性に関して,古典的な解析手法である中心多様体理論に基づく局所解析を行い,収束の終盤において指数的な収束性を示すことが示された。dhTodaアルゴリズムについては,ある条件の下で同様の収束性を示すことが明らかになった。 (4)離散ハングリーロトカ・ボルテラ系の数理構造を基に定式化された,非対称帯行列の固有値を計算するdhLVアルゴリズムについて,固有ベクトル成分の分布を利用することで固有ベクトを効率よく計算できることを示した。 (5)離散ハングリーロトカ・ボルテラ系に関する,全ての独立な保存量の導出に成功した。
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