2014 Fiscal Year Annual Research Report
大局的3次元輻射磁気流体計算によるブラックホール・アウトフローの構造と進化の研究
Project/Area Number |
24740127
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Research Institution | National Astronomical Observatory of Japan |
Principal Investigator |
大須賀 健 国立天文台, 理論研究部, 助教 (90386508)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | ブラックホール / ジェット / アウトフロー / 降着円盤 / 数値シミュレーション |
Outline of Annual Research Achievements |
ブラックホール降着円盤で発生する強力なアウトフローは、星間ガスの加熱・電離を通して周囲の星形成活動に影響を与えると考えられている。また、巨大ブラックホールの成長速度にも影響を与えることは間違いない。 まず、質量降着率のきわめて大きな降着円盤、いわゆる超臨界降着流のブラックホール近傍での振る舞いおよびジェットを調べるため、従来の数値計算法に一般相対論効果を組み込んだ一般相対論的輻射磁気流体シミュレーションを実施した。その結果、超臨界降着流から強力な輻射加速型ジェットが噴出することがわかった。また、ブラックホール近傍ではガスの冷却が間に合わず、円盤は高温になることがわかった。この高温領域は未だ解明されていない高エネルギーX線の起源を解き明かす可能性があり、今後詳細に調べる必要がある。 一方、大半の活動銀河核に存在すると考えられる標準降着円盤からの円盤風についても輻射流体シミュレーションで調べた。金属元素のライン吸収によって加速される円盤風が高速の約10パーセントの速度で噴出することがわかった。この円盤風は中心のブラックホール質量が十分に大きな場合にのみ発生するもので、超巨大ブラックホールの最終進化段階を解き明かす鍵となるに違いない。また、この円盤風は活動銀河核で観測される青方偏移した吸収線を作り出す可能性があり、稼働予定のASTRO-Hで詳しく調べる計画が進行している。
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[Journal Article] Discovery of Dramatic Optical Variability in SDSS J1100+4421: A Peculiar Radio-loud Narrow-line Seyfert 1 Galaxy?2014
Author(s)
Tanaka, Masaomi; Morokuma, Tomoki; Itoh, Ryosuke; Akitaya, Hiroshi; Tominaga, Nozomu; Saito, Yoshihiko; Stawarz, Lukasz; Tanaka, Yasuyuki T.; Gandhi, Poshak; Ali, Gamal; Aoki, Tsutomu; Contreras, Carlos; Doi, Mamoru; Essam, Ahmad; Hamed, Gamal; Hsiao, Eric Y.; Iwata, Ikuru; ..... ; Ohsuga, Ken, et al.
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Journal Title
The Astrophysical Journal Letters
Volume: 793
Pages: 26-31
DOI
Peer Reviewed
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