2015 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
24740135
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
高橋 史宜 東北大学, 理学(系)研究科(研究院), 准教授 (60503878)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | インフレーション / 宇宙物理 |
Outline of Annual Research Achievements |
インフレーションが初期宇宙に起きたことは宇宙背景輻射の温度および偏光揺らぎ観測からほぼ確実視されているものの,インフレーションを引き起こしたインフラトンの正体は明らかになっていない.本研究においてインフラトンが右巻きニュートリノの超対称性パートナーである可能性を検討した.特に,超重力理論におけるインフレーション模型においては少なくとも2つのゲージsinglet粒子が必要であり,それが自然に左巻きニュートリノおよびヒッグスと結合し,シーソー機構によって軽いニュートリノ質量を説明することを明らかにした.すなわち,インフレーションを動機としてシーソー機構が導かれる事を示した.右巻きニュートリノの超対称性パートナーがインフラトンであり,その崩壊によってバリオン数非対称性を説明することが可能である.一方,他の可能性として標準理論のヒッグス粒子がインフラトンとなる場合が盛んに調べられている.本研究において,ヒッグス場の運動項がヒッグス場自身に依存し,そのため有効ポテンシャルが平らになるrunning kinetic Higgsインフレーション模型について,繰り込み群による結合定数の変化を取り入れることで再解析行った.その結果,結合定数の変化,特にトップ湯川結合によるヒッグス四点結合の減少を取り入れても,密度揺らぎの指数およびテンソル型揺らぎの大きさに関するインフレーションの予言はあまり変化しないことを示した.これにより,最も簡単なrunning kinetic Higgsインフレーションは観測から排除される事がわかった.
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Research Products
(11 results)