2013 Fiscal Year Annual Research Report
SOI技術を用いたピクセル崩壊点検出器の世界初の実用化に向けた研究
Project/Area Number |
24740137
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
石川 明正 東北大学, 理学(系)研究科(研究院), 助教 (40452833)
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Keywords | SOI / 素粒子実験 / 半導体検出器 / ピクセル検出器 / 崩壊点検出器 / 放射線測定器 / Belle II / フレーバー物理 |
Research Abstract |
平成24年度に発覚したPIXOR1チップにおける検出効率の閾値依存性の問題についてさらなる検証を行い、ディスクリミネータにおける干渉が一つの原因となっていることを突き止めた。いくつかの対症療法を行い状況は改善されたが、それでも干渉が起こるため、チップのレイアウトの時点で干渉を減らすような配置・配線をPIXOR3では採用した。また、Double SOI構造のPIXOR1の性能評価を行った。Double SOI 構造の PIXOR1 では backgate effect が抑制されることを確認し、Circuit-on-Sensor構造で世界で初めてシグナルを検出し、しかも同量の電荷がX方向とY方向に分割されることを確認した。これは大きな進展である。しかし、すべての場合において問題を解決したわけでは無くチップ依存性があるため、現在その原因を探っているところである。 OR数を16にし、すべての機能を Circuit-on-Sensor にし(それに付随しピクセルサイズを大きくし)、デジタル回路を強化した、実機に近いPIXOR2チップの性能評価を行った。アナログ回路に関しては寄生容量の増加に伴いゲインが約6分の1になっていることを確認した。これは SPICE simulation で再現出来たため設計通りである。PIXOR3ではゲインを改善するように設計を改善した。またデジタル回路ではスーパーピクセル上にヒットのあったチャンネルのアドレスのみをFIFOに格納し高速転送する機能を搭載した。デジタル回路の機能をテストパルスを用いて検証し、予定通りの動作をすることを確認した。 上記の問題を解決すべくPIXOR3を開発し、25年度の終わりに納入された。今後はPIXOR3を用いビームテストに向けて研究を行う。 また、上記の研究は現在論文にまとめている最中である。
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