2013 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
24740154
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
近藤 洋介 東京工業大学, 理工学研究科, 助教 (00455346)
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Keywords | 原子核実験 / シェル構造 / 魔法数 |
Research Abstract |
酸素・フッ素同位体では中性子束縛限界(ドリップライン)が急激に変化することが知れられており、このドリップライン異常はまだ解明されていない未解決の問題である。近年の理論研究によると、3体力が重要な役割を果たすことが示唆されている。一方、非常に中性子過剰な核の生成や非束縛準位の測定の難しさから、この中性子ドリップラインを越えた領域での実験研究はほとんどない。本研究では中性子ドリップラインを越えた領域の非束縛酸素同位体の質量測定を行い、中性子ドリップライン異常の解明を目指す。 平成25年度では、平成24年度に取得した25,26Oの質量測定実験のデータ解析を進めた。2中性子解析における解析アルゴリズムの開発を進め、より低バックグラウンドの不変質量スペクトルを得ることに成功した。すでに確認していた26Oの基底準位とともに、これまで知られていなかった第一励起準位も同定することができ、理論の検証に重要な役割を果たすと期待される。これらの成果は国際学会等で報告を行い、現在論文を執筆中である。 また次の段階として行う27,28Oの質量測定実験の計画も進行中である。この実験では3または4中性子の同時検出が必要となり、非常に難しい実験となる。中性子の検出効率を改善するため、ドイツのGSIで現在建設中の中性子検出器NeuLANDを25,26O実験で用いた中性子検出器NEBULAと組み合わせて使用することを決定した。27,28Oの質量測定の実験計画は平成25年12月に行われた理化学研究所のProgram Advisory Committeeで審査され、最も高いSランクの評価で承認された。NeuLANDは平成26年度に日本に輸送された後、組み立てられる予定であり、実験は平成27年度に行う。
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Research Products
(8 results)