2014 Fiscal Year Annual Research Report
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24740160
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| Research Institution | Nagoya University |
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Principal Investigator |
日影 千秋 名古屋大学, 基礎理論研究センター, 特任助教 (00623555)
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| Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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| Keywords | 宇宙論 / 宇宙大規模構造 / ダークエネルギー |
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| Outline of Annual Research Achievements |
将来の大規模銀河サーベイにおいて一般相対論に基づく重力理論の検証やニュートリノ総質量測定が主要目標となっている。精密な宇宙論解析を展開する上で、銀河分布とその背後にあるダークマター分布との関係の不定性が大きな課題である。特に、ダークマターの集まったハロー中心から外れた銀河がもつハロー内の速度分散によって、視線方向に銀河分布が伸びて観測されるFingers-of-God（FoG）現象は、宇宙論解析の大きな障害となる。本研究では、FoG現象に伴う銀河ダークマター関係の不定性を取り除くために、(1) 重力レンズ情報を組み合わせた手法と(2) 多重極パワースペクトルを用いた新たな手法を構築した。
(1) 宇宙論サーベイで広く用いられる明るく赤い銀河（LRG）の周りで、背景銀河の重力レンズ歪みを測定した。ハロー中心から外れた銀河の周りでは重力レンズのシグナルが減衰することを利用し、LRGのおよそ20%がハロー中心から外れたオフセンター銀河であることがわかった。オフセンター銀河の割合からFingers-of-God効果の大きさを推定することで、重力理論の選別のための観測指標である構造成長率やニュートリノ質量の精度が向上することがわかった。
(2)銀河分布のパワースペクトルを多重極展開することにより、重力理論の選別に重要な大スケールの銀河速度場による赤方偏移変形とFingers-of-God効果による赤方偏移変形を分離する手法を構築した。本研究によってFingers-of-God効果の系統誤差を大きく除去することができ、構造成長率の決定精度が数倍向上することがわかった。また「Fingers-of-God」効果の強さから、銀河の内部運動の情報を引き出すことで、銀河をホストするダークマターハロー質量や、銀河とダークマターの速度分散の違いを探る新たな方法を提示した。
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