2015 Fiscal Year Research-status Report
共形場理論間の新関係式の導出と非自明な背景上の超弦理論
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24740170
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Research Institution | Rikkyo University |
Principal Investigator |
疋田 泰章 立教大学, 理学部, 助教 (80567462)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 二次元共形場理論 / 超弦理論 / AdS/CFT対応 / 高いスピンのゲージ理論 |
Outline of Annual Research Achievements |
非自明な背景上、特に反ド・ジッター空間上の超弦理論を解析する手法を開発するというのが本研究の目的である。主に、二次元共形場理論間の新たな関係式を開発し応用することで行う予定である。さらに、高いスピンのゲージ理論やそれを利用した簡単化されたゲージ/重力対応も利用する。この研究目的、研究実施計画に基づき、本年度は次のような二つの研究を行った。1.二次元共形場理論間の新たな関係式の開発。2.高いスピンのゲージ理論における対称性の破れの研究。以下ではそれそれの説明を行う。
1.我々は論文[JHEP10(2007)064]において、反ド・ジッター空間上の弦理論を動径方向の理論に帰着する関係式をより直感的な方法で再導出した。この方法を利用することで、これまで超群の模型における新たな関係式を開発してきた。本年度の研究において、より一般的な超群の場合に拡張することができた。この解析をコセットの場合に拡張することで、反ド・ジッター空間上の超弦理論の解析につながっていくはずである。この研究は論文[JHEP02(2016)048]としてまとめた。
2.ここ数年間の研究の成果により、三次元の反ド・ジッター空間上において、高いスピンのゲージ理論と超弦理論の関係性を明らかにすることができた。より定量的な解析を行うために、高いスピンのゲージ理論から超弦理論のスペクトルを求める試みを行った。高いスピンのゲージ理論において、対称性を破ることで高いスピンの場に質量を持たせることができる。本年度の研究で高いスピンの場の質量を具体的に求めることに成功した。このスペクトルは超弦理論からも解釈できるはずのものであり、これからの課題となっている。研究成果は論文[JHEP07(2015)125;JHEP10(2015)164]としてまとめた。さらに、国際研究会と日本物理学会にて、口頭発表を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
研究目的は、非自明な背景上の超弦理論の解析方法を開発するというところにあった。四年間の研究期間を通して、二次元共形場理論間の新たな関係式の発見や、高いスピンのゲージ理論による超弦理論の記述法の開発において、大きな研究成果を挙げることができた。特に、高いスピンのゲージ理論と超弦理論との間の関係性を明らかにすることによって、高いスピンのゲージ理論による記述法の有用性を示すことができた。したがって、研究目的に対して予想以上の成果をあげたと言えるだろう。
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Strategy for Future Research Activity |
これまで四年間の研究により、二次元共形場理論間の新たな関係性を見つけることができ、さらに高いスピンのゲージ理論と超弦理論との関係も明らかにすることができた。研究期間を一年延長することで、これまでの研究成果を研究会における講演などを通して、広くアピールするつもりである。それと同時に、研究成果をできる限り精密なものにしたい。二次元共形場理論間の新たな関係性に関しては、より超弦理論への応用のしやすい形に拡張するつもりである。具体的には、反ド・ジッター空間上の超弦理論を記述するような超群のコセット型の模型に対して適用できるよう変形する。高いスピンのゲージ理論による記述法については、対称性の破れにしたがって生成された高いスピンの場の質量を、超弦理論の言葉で解釈できるようにする。
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Causes of Carryover |
平成25年度の年度末と平成26年度の年度初めに二回、国際研究会参加と研究打ち合わせのため海外出張を行う予定であった。その二つの出張を一つの出張にまとめたため、一回分の海外出張の旅費が残った。そこで、平成27年度の海外出張の回数を予定より増やすつもりであったが、うまく日程を調整することができず次年度使用額が生じた。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
残った予算を利用することで、国際研究会に参加して研究発表を行いたい。これまでの科研費による研究成果を十分にアピールしてくるつもりである。
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Research Products
(5 results)