2013 Fiscal Year Annual Research Report
r過程経路上の中性子126近傍核の高純度かつ高効率分離収集用ガスセルの開発
Project/Area Number |
24740180
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Research Institution | High Energy Accelerator Research Organization |
Principal Investigator |
平山 賀一 大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構, 素粒子原子核研究所, 助教 (30391733)
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Keywords | 国際情報交換 / ベルギー / 元素合成 / アルゴンガスセル / レーザー共鳴イオン化 |
Research Abstract |
金、ウラン等の重元素を合成する速い中性子捕獲過程の起源となる天体環境の解明を目指し、中性子数N=126の安定閉殻の精密ベータ崩壊核分光実験を行う。そのため、多核子移行反応で生成される希少原子核を高速かつ高効率で分離、収集可能な単一原子核ビーム生成用ガスセルを、シミュレーションを元に設計し製作した。ガスセル内に設置したフィラメントから蒸発した中性原子のニッケル(Z=28)、鉄(Z=26)、イリジウム(Z=77)を用いたオフライン試験と、理化学研究所の加速器から供給された鉄、キセノンビームを用いて、ガスセルシステムの性能試験を25年度に行った。 前年度に行った加速器実験の結果、ガスセル内部にビームを打ち込んだ際にビーム軌道に沿って生成されるアルゴンプラズマからの放射光が、レーザーイオン化したイオンの再中性化および不純物イオン除去用イオン収集電極の性能低下を引き起こしていることが判明した。対策としてガスセル内部に改良した遮光壁構造の流路を導入することで、4pnAの鉄ビーム、10pnAのキセノンビームをガスセルに打ち込んでも、引出効率を一定値にすることができた。そのため、目的とする中性子数N=126の安定閉殻の精密ベータ崩壊核分光実験を行える環境を整えることができた。次に本研究で予定している136Xeよりも中性子数が12個少ない 124Xeビームを用いて白金の安定核198Ptを反応で生成し、ガスセル中での停止過程および重元素の引出効率測定を行った。引出効率は約0.15%であり、本研究で予定していたイリジウム同位体の寿命測定が可能であることが判明した。124Xeビームであったため当初の予定であったイリジウム同位体の寿命測定はできなかったが、次年度の7月、9月に136Xeビームで加速器実験を行い、寿命測定を行う予定である。
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Research Products
(8 results)