2013 Fiscal Year Research-status Report
全天X線監視装置の早期速報によるX線閃光天体の正体解明
Project/Area Number |
24740186
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Research Institution | Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
芹野 素子 独立行政法人理化学研究所, MAXIチーム, 研究員 (70415199)
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Keywords | 国際情報交換 アメリカ合衆国 |
Research Abstract |
本研究は全天X線監視装置MAXIがとらえ続けている、謎のX線閃光がスペクトルのソフトなガンマ線バーストであり、閃光の後にはガンマ線バーストと同様の残光が存在することを明らかにすることである。他の衛星では観測が困難なこれらのX線閃光は、これまで追跡観測もほとんどされないままになっていた。本研究は、MAXI の速報を限界まで早め、迅速な追跡観測を促進することによって、X線閃光の残光をとらえ、起源までの距離を決定する計画である。 平成25年度は MAXI の速報の迅速化に欠かせない、自動位置決定システムを学生の協力を得て完成させ、運用を開始することができた。これによって以前より早く確実に速報を行うことができるようになった。また同時に、追跡観測を行う Swift 衛星への観測提案もこれまでより早く行うことが可能になった。実際に、GRB 131225A、GRB 140221A などでSwift衛星による追跡観測も行われた。これまでのところ、ガンマ線バーストと同様なX線残光は確認されていない。 速報システムの運用と並行して、これまでにMAXIがとらえたX線閃光を含む、バースト現象のカタログを作成し、論文として投稿した。論文には、2009年の観測開始から2013年4月までの35のバーストについて、強度やエネルギースペクトルの硬さを調べた結果を載せた。また、それらを"MAXIだけがとらえたバースト"と"他の衛星でも同時に観測されたバースト"のふたつのグループに分けて比較することで、MAXIだけが捉えたX線閃光の特徴を明らかにした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
X線閃光の追跡観測を行うところまではできたが、対応天体を確定するには至っていない。 また、これらの現象をまとめたカタログの論文は投稿まではできたが、受理するところまでは前年度中に終えられなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
前年度で、X線閃光の追跡観測を行うところまでは達成できた。手順も確立できたので、今後は観測例を増やし、残光の発見と、距離の決定を目指す。 また、投稿中の論文が受理されるよう、改訂を進める。 論文が受理されれば、成果を学会などで発表し、更なる観測への協力を呼びかける。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
25年度は海外出張ができなかったため、旅費として確保していた予算を使うことができなかった。また、論文も出版に至らなかったため、次年度に使用することになった。 26年度は国内外の出張と論文の出版に予算を使用する。また、当初から計上していた物品費についてはハードディスクの購入など、計画通りに使用する。
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[Journal Article] GRB 130427A: a Nearby Ordinary Monster2014
Author(s)
Maselli, A.; Melandri, A.; Nava, L.; Mundell, C.G.; Kawai, N.; Campana, S.; Covino, S.; Cummings, J.R.; Cusumano, G.; Evans, P. A.; Ghirlanda, G.; Ghisellini, G.; Guidorzi, C.; Kobayashi, S.; Kuin, P.; La Parola, V.; Mangano, V.; Oates, S.; Sakamoto, T.; Serino, M.; 他
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Journal Title
Science
Volume: vol. 343, no. 6166
Pages: 48-51
DOI
Peer Reviewed
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