2012 Fiscal Year Research-status Report
リチウム11におけるスピン・アイソスピン対称性の回復メカニズムの研究
Project/Area Number |
24740187
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
|
Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
笹野 匡紀 独立行政法人理化学研究所, 上坂スピン・アイソスピン研究室, 研究員 (10515802)
|
Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2016-03-31
|
Keywords | 国際情報交換 |
Research Abstract |
本研究は、逆運動学の中間エネルギー(p,n)反応を用いてGT遷移強度分布を測定し、この測定量におけるダイニュートロン相関など二核子相関の役割を調べることで、スピン・アイソスピン自由度対称性(SU(4))の破れ・回復のメカニズムを明らかにすることを目指している。 2012年度は、11LiでのGT遷移後に重陽子がでる崩壊メカニズムを検討した。この過程の中で、N=Z核で原子核の中で重陽子的な励起状態(SU(4)対称性が回復したことを示す)を作ることができるという結論に達し、まずはN=Z核でのB(GT)遷移強度を導出することにした。理研RIBFの2012年春のNP-PACで実験を提案し、48Cr(Z=N=24)での実験が受理させた。11Liではなく中重核のN=Z核を提案した理由は、後者では崩壊のメカニズムに関してのアンビュギュイティがすくなくなるという利点があるためである。この実験は2013年度秋に行えると見込んでおり、それを踏まえ11Liに関しても実験の提案を行いたいと考えている。 科研費の使用用途である中性子検出器開発に関しては現在進行中である。上記の実験で少なくともプロトタイプ検出器のテストをしたいと思っている。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究の最終目的で「核内スピン・アイソスピン自由度対称性の回復のメカニズム」の解明のために本質的に重要な実験をRIBFで提案しビームタイムを獲得し、実験準備を進めている。中性子検出器開発に関しては位置分解能型光電子増倍管を用いて、ビームに対して横と奥行き方向に位置分解能のある検出器を作成中である。
|
Strategy for Future Research Activity |
本年度秋に行われると期待している実験に向けて、検出器開発を推し進める。
|
Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
プラスチックシンチレーター及び光電子増倍管を買い足しつつ、検出器の評価を行う。 実験において同検出器のテストを行う。次年度使用額が発生した理由は、光電子増倍管にコネクターの追加など修正を加えたため価格が申請時より変化したことと、24年度購入予定のプラスチックシンチレーターの購入を本年度にまとめて行うことにしたからである。
|
Research Products
(7 results)