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2012 Fiscal Year Research-status Report

巨大誘電率を有する強誘電体の創製

Research Project

Project/Area Number 24740208
Research InstitutionShibaura Institute of Technology

Principal Investigator

西脇 洋一  芝浦工業大学, 工学部, 助教 (70439818)

Project Period (FY) 2012-04-01 – 2014-03-31
Keywords強誘電体 / 誘電率 / 結晶育成
Research Abstract

ブリッジマン法によりRb2ZnCl4群強誘電体のうちRb2CoCl4 、Rb2CoBr4、および同素化合物であるRbCoBr3の単結晶育成を行った。また、チョクラルスキー法用の電気炉を改良し、Rb2CoCl4の単結晶育成を行った。
さらに4Kから室温まで誘電率の温度変化を測定する測定系を開発し、上記物質の誘電率測定を行った。
Rb2CoBr4の誘電率の温度依存性は過去の報告と同様であったが、その大きさは過去のものより1.2倍程度大きくなった。Rb2CoCl4の誘電率は、ブリッジマン法およびチョクラルスキー法のいずれで育成した試料も、過去のものより1.3倍程度大きくなった。どちらの結晶も過去の報告より大きな誘電率を示しており、良質な結晶が得られていることが分かる。さらに結晶育成の際の温度勾配や試料の移動速度を最適化していけば、より大きな誘電率を持った結晶が得られることが期待される。
RbCoBr3の誘電率は過去の報告より5倍程度大きな値を示した。また、その温度依存性において、強誘電相転移点に近い30 K付近にピークが見られるが、このピークの大きさが奇妙な周波数依存性を持つことを発見した。その周波数依存性は、複素誘電率の実数部と虚数部をグラフにすると、通常の誘電体ではCole-Coleの関係と呼ばれる半円を描くが、RbCoBr3のそれは2つの半円を描いた。つまり、RbCoBr3の誘電分散は2種類の緩和時間を持つという、これまで知られていないタイプのものである。この2種類の誘電分散の起源は、現時点では謎であり、今後解明していきたい。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

研究実績の概要で記述したように、ハロゲン化物強誘電体の単結晶をブリッジマン法およびチョクラルスキー法を用いて育成した。また、誘電率の測定装置を開発した。得られた結晶群の誘電率を測定したところ、全ての物質で過去の報告より大きな誘電率を示した。これは、良質な結晶が得られている証拠であり、これまでのところ、当初の予定通りに研究が進んでいる。

Strategy for Future Research Activity

現在までの達成度で記述したように、平成24年度の研究は当初の予定通りに進んできた。しかし研究代表者は、平成25年度より芝浦工業大学から埼玉医科大学へ所属変更した。それに伴い、芝浦工業大学で作製した誘電率測定装置を埼玉医科大学へ移動することが許されなかった。そのため、当初の研究計画である他の物質群、Rb2ZnCl4 、Rb2ZnBr4 、K2CoCl4 、K2ZnBr4 の結晶育成およびその誘電率測定を遂行することが出来なくなった。そこで平成25年度は、24年度の研究で明らかになったRbCoBr3の誘電分散について重点的に調べたい。24年度の研究から、RbCoBr3の単結晶はブリッジマン法によって、良質なものが育成でき、その誘電率は大きくなることが分かった。また、大きな誘電率を持つ結晶が育成できたことから、過去の研究より精密な誘電率測定を行うことが可能になった。25年度はこの結晶育成を続け、さらに良い結晶を得られるようにする。そして、研究協力者の装置を用いて、誘電率を測定する。その結果から、周波数分散を精密に解析し、2種類の誘電緩和の起源を明らかにする。

Expenditure Plans for the Next FY Research Funding

今後の研究の推進方策で記述したように、所属の変更に伴い芝浦工業大学で作製した装置の大部分を埼玉医科大学へ持ってくることが出来なかった。そのため、埼玉医科大学にて改めて装置の準備をする必要がある。誘電率測定装置を埼玉医科大学で25年度中に作製することは困難であるため、25年度は結晶育成装置を作製する。それに必要な真空ポンプ(2台)、ガラス器具、坩堝を購入する。

  • Research Products

    (1 results)

All 2013

All Journal Article (1 results) (of which Peer Reviewed: 1 results)

  • [Journal Article] Thermal Expansion and Dielectric Properties of Triangular Lattice Antiferromagnet RbCoBr32013

    • Author(s)
      Yoichi Nishiwaki, Toshihisa Yamaguchi, Masaaki Takashige, Tetsuya Kato, Toshiharu Mitsui, and Katsunori Iio
    • Journal Title

      Journal of the Physical Society of Japan

      Volume: 掲載決定 Pages: 印刷中

    • Peer Reviewed

URL: 

Published: 2014-07-24  

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