2012 Fiscal Year Research-status Report
世界で初めて合成に成功したSmAs系充填スクッテルダイトの特異な物性の機構の解明
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24740231
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Research Institution | University of Toyama |
Principal Investigator |
並木 孝洋 富山大学, その他の研究科, 准教授 (40535340)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | 単結晶試料育成 / 基礎物性測定 |
Research Abstract |
2012年度は試料育成や実験などの準備を中心に研究を行ってきた。そのために、まず試料育成について研究・考察を行っており、実際にコンスタントに単結晶試料の育成には成功している。しかし、試料の大きさについてはなかなかこれまでよりも大きいサイズの単結晶試料を育成することができておらず、より大きい単結晶試料育成条件を見つけ出すのに時間がかかっている。 同時に、より大きい単結晶試料が得られた場合の本実験に備えて実験環境の整備も行っており、まずは小さい単結晶試料でも電極の溶接が可能なようにマニピュレーター(クイックプロ(右手)、(株)マイクロサポート製)を購入し1mm以下の小さい試料でも電気抵抗測定用の端子付けができるようにした。実際、このマニピュレーターを導入し、さらにすでに導入済みの双眼実態顕微鏡と組み合わせることで1mm以下のサイズの試料にも充分端子付けができることを確認すると共に実際に端子付けを行っている。こうして得られた試料については電気抵抗測定・磁化率測定・比熱測定などの各種測定を行い、試料依存性を含めた試料の評価を行っている。しかし、試料が小さいために基本的には試料を集めて測定を行う必要があるため、結晶異方性まで含めた測定は行えていない。 また、一方で各種測定を行う際の問題も発生している。それは電気抵抗測定のための直径50mの細線電極を溶接するための溶接装置において、これまで使用していた溶接装置ではでは出力が強すぎるためにかなりの確率で端子が溶断してしまったり、場合によっては試料が欠けてしまったり、黒焦げに酸化してしまうなどと言った問題である。そこで、より低出力で溶接ができる溶接装置を作成・もしくは購入する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本来の予定では1年間で単結晶育成を成功させ、より大きい単結晶試料を得ている予定であったが、単結晶試料の育成自体は安定的に行える物の、本来の目標であった充分に大きい単結晶試料の育成には到達することができていない。 一方で、2013年度に行う予定の異方性まで含めた各種物性測定に向けて電気抵抗測定用の電極取り付け装置を作成するなどの準備はある程度順調に進み、予備測定としての各種物性測定を行い試料の評価を行うことができている。
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Strategy for Future Research Activity |
まず正攻法として単結晶育成を進め、より大きい単結晶試料を得るための単結晶試料育成条件を明らかにする予定である。 同時に、うまくいかなかった場合に備え、小さい単結晶試料でも測定が行えるように、例えば現在は小さい単結晶試料を集めて多結晶試料のようにして測定を行っているが、各々の多結晶試料の方位を全てそろえ、単結晶試料として異方性も含めて測定を行えるようにする予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
単結晶育成条件の特定などに時間がかかってしまっているため、思ったよりも原材料費の消費などが少なく、当該研究費に余剰が生じている。翌年度ではより大きい単結晶試料の育成を行う予定であるため、当該研究費はそれに使用する原材料費などに消費される予定である。
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