2014 Fiscal Year Annual Research Report
エネルギースケールの空間変調による量子系のトポロジー制御とその応用
Project/Area Number |
24740255
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
引原 俊哉 群馬大学, 大学院理工学府, 准教授 (00373358)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 物性基礎論 / 統計力学 / 量子情報理論 |
Outline of Annual Research Achievements |
エネルギースケールをサインα乗関数に従って空間変調させた一次元量子多体系の基底状態特性を調べた。最近接スピン間相関関数などの一点関数に見られるフリーデル振動の振る舞いを数値的に調べることで、サインα乗変形系におけるそれらの物理量が、開放端をもつ一様系における表式と同じ関数形を用いて表されることを発見した。また、そのフリーデル振動の減衰のべきを司る指数パラメータのα依存性を定量的に決定し、それがエンタングルメントエントロピーの対数スケーリングの係数が示すα依存性と一致することを確かめた。これらの結果は、サインα乗変形系の低エネルギー有効模型が、一様な一次元量子系と同じ(ただし物理量のべき減衰パラメータを一般化した)理論で表されるような、より広いクラスを形成することを強く示唆するものである。 また、エネルギースケールの制御だけでなく、ハミルトニアンの空間的・時間的制御、系の状態測定などを行うことで、系の量子状態を制御し、所望の量子情報論的操作を実現する方法について調べた。少数のスピンからなるユニットを並べた直積状態から出発し、局所状態測定、ユニタリ時間発展を行うことで、エンタングルした量子多体状態を生成するという、前年度からの研究方針を発展させる研究を行った。その結果、ベーテ格子上のAffleck-Kennedy-Lieb-Tasaki状態を生成するアルゴリズムを明らかにした。また、任意のダイマー配列に対応したValence-Bond Solid状態など、様々な量子多体状態を生成するアルゴリズムの作成も行った。これらの結果は、量子情報伝達等の量子情報論的操作を実現するという本研究課題の目的に対して、新たな方策を提案するものとして、意義のある結果と言える。
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