2013 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
24740257
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
島田 尚 東京大学, 工学(系)研究科(研究院), 助教 (90431791)
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Keywords | 粉体 / 分子動力学シミュレーション / 集団現象 / レオロジー / 非線型 / 国際情報交換(スイス) |
Research Abstract |
本研究の目的は粉体層中に自発的な置かれた自発的な繰り返しの変形を行う物体(以下スイマーと呼ぶ)の運動の物理についての基礎的理解を得る事である。 初年度に単一のスイマーの方向変化の機構についてある程度の成果を得ることができたので、本年度は主に当初の研究計画通りスイマー集団の運動の理解の基礎となるスイマー2体系の解析に注力した。具体的には2体のスイマーを互いの推進方向が揃った向きに並置した初期条件での系統的なシミュレーションを行い、このような2体のスイマー間に働く実効的相互作用を調べた。この結果、1) 両スイマーの泳ぎ運動の位相が揃っている場合には無視できる程小さい事 2) 運動の位相がずれている時には反発し合う方向に働くこと、を見出した。これらの結果について学会講演及び論文にて発表した。 また、計画に従い本年9月に実施したスイス連邦工科大学のヘルマン教授グループへの滞在研究を行った。ここでは主に昨年度より取り組んで来た一体スイマーの推進方向変化の最適形状についての結果のまとめの議論を行い、方向の制御へと目標を伸ばすべきであるとの結論を得た。その後この方向で追加のシミュレーションを行い、論文を準備中である。 さらに、本研究の展開として、「歩行者集団の運動」について歩行者を自己駆動粒子としてモデル化した研究を行った。このモデルにおいては各歩行者は自分の正面向きに駆動力を働かせ、かつこの向きは(他の歩行者との相互作用によって決まる)実際の推進方向に緩和する。周期的境界条件の系の解析から、このような系で集団運動が発生するかどうかの転移が存在し、かつその機構が粉体層における非弾性衝突由来のクラスタリングと類似していることを明らかにし、論文等に発表した。
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Research Products
(6 results)