2014 Fiscal Year Annual Research Report
ネットワーク構造とダイナミクス:基礎理論と最適なネットワーク構造の解明
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24740258
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Research Institution | Ochanomizu University |
Principal Investigator |
郡 宏 お茶の水女子大学, 大学院人間文化創成科学研究科, 准教授 (80435974)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 同期現象 / 複雑ネットワーク |
Outline of Annual Research Achievements |
興奮子ネットワークの解析を行った。神経細胞などに見られる興奮現象は2つに大別できる。1つはHopf分岐近傍に見られるもので、FitzHugh-Nagumo方程式が代表例である。もう1つはSaddle-Node分岐近傍にみられるもので例えばHindmarsh-Rose方程式がこれを示す。前者に関しては、2次元媒質上での興奮波の距離の効果や、ネットワーク上での次数の効果がすでに研究されているが、後者に関しては、これらに関してほとんど研究がない。そこで、後者のタイプの興奮性を示す単純なモデルである、位相振動子を用いて解析を試みた。数値計算から、双安定系と似た相図が得られることがわかった。解析は、空間2次元およびケイリーツリーネットワークともに、連続近似とCole-Hopf変換が有効で、これにより、先行研究と似た定式が可能になる。この成果は現在執筆準備中である。 また、ネットワーク系で起こる協同ダイナミクスを近似的に記述する少数の秩序変数の発展方程式の導出を行い、その有効性を数値的に確認した。 本粗視化の特徴は、同期解近傍は線形化近似と一致する非線形変数変換を導入したことである。これにより、同期解から遠く離れたダイナミクスも、定性的に再現可能な粗視化方程式となっている。 数値解析によって、サドルノード分岐やホップ分岐を起こす状況で、粗視化方程式がある程度元の方程式の挙動を再現することを確認できた。また、周期外力下でカオスが起きる状況も、短時間であれば定量的に再現することが確認できた。この成果は現在投稿準備中である。
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