2013 Fiscal Year Annual Research Report
負の実効密度および実効弾性率をもつ音響メタマテリアルの構造探索
Project/Area Number |
24740267
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Research Institution | Okayama Prefectural University |
Principal Investigator |
坂口 浩一郎 岡山県立大学, 情報工学部, 助教 (10551822)
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Keywords | 音響メタマテリアル |
Research Abstract |
本研究の目的は負の実効密度および負の実効弾性率を実現する音響メタマテリアルの構造を探索することである.メタマテリアルとは波長以下の周期構造を持つ人工媒質のことであり,単位構造および周期性を適切に設計することにより自然界にはない特性を得られることから,光,電波,音響など様々な分野において盛んに研究されている.本研究では音響メタマテリアルの具体的な構造として2つのヘルムホルツ共振器を音響管で結合したものを周期配置した音響導波路を考え,音波伝搬特性の解析を行った. 研究期間の初年度はシミュレーション環境を整えることを主目的とし,検討の結果汎用物理シミュレータとして知られるCOMSOL Multiphysics を導入し,使用法の習得および基礎検討を行った. 最終年度である当該年度においては前述した系の構造パラメータを系統的に変化させ,結合したヘルムホルツ共振器を周期配置した音響導波路の音波伝搬特性の解析を行った.この系において負の実効密度および負の実効弾性率が達成されているかどうかについては研究期間中に評価するまでに至らなかったが,以下に記す一定の成果が得られた.ヘルムホルツ共振器はその構造に依存した1つの共振周波数を持つことが知られているが,結合管により結合したヘルムホルツ共振器はそれぞれが互いに同相で振動するモードと逆相で振動するモードの2つの共振周波数を持つことがわかった.またそれら共振周波数は結合管の幅と長さに依存しており,特に逆相モードにおいて変化が大きいことを明らかにした.またこのような共振器を導波路に周期配置した場合,透過スペクトルに2つの共振モードに対応した遮断域と,配置周期に対応した遮断域が生じることを確認した.
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