2015 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
24740268
|
Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
勝木 厚成 日本大学, 理工学部, 助教 (40453914)
|
Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2017-03-31
|
Keywords | 砂丘 / 環境変動 |
Outline of Annual Research Achievements |
風と砂で形成される砂丘は利用可能な砂量と風向の複雑性(風向場のベクトル場とスカラー場の1年間平均比)によって様々な形態をとることが知られている。このことは、環境条件によって地形が変化するというだけでなく、地形形状から環境条件を読み取ることができることを示唆している。この環境条件の変化に対応する砂丘地形変化を計算機シミュレーションで調べるためにsaltation(飛砂)とavalanche(なだれ)を考慮した砂丘の数理模型を構築し、その変化を調べた。 前年度までにおこなっていた特別な砂丘形状だけでなく変形途中の砂丘形状など、より複雑で多様な形状に応じた砂丘周りの砂の流量を測定できる手法を開発し、計算機シミュレーションを用いて調べた。その結果、縦状砂丘、横列砂丘など特徴的な砂丘だけでなく、砂丘変形過程の流砂量が風向複雑性に応じてどのように変化するかを明らかにした。また、風方向毎の高さに依存した砂量を考慮した流砂量の理論を構築し、同様に風向の複雑性への依存性を調べたところ、計算機シミュレーションと一致することがわかった。次に、この数理模型の応用として海岸域での砂丘 、砂州形状を計算機シミュレーションで調べるとともに野外観測をおこなった。観測では海岸植生地域に砂丘が覆い被さる地域を調べたところ、その侵食域では植物の枯死状態が見られた。また、海岸域では2重の砂州が観測され、その形成条件を計算機シミュレーションで調べた。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
論文の執筆がやや遅れているが、複雑な風向場での砂丘形状の流砂量を計算機シミュレーション及び理論により記述できるようになったことから研究自体は研究計画に沿って進んでいるといえる。
|
Strategy for Future Research Activity |
本年度及び過去の研究結果を論文にまとめるともに学会において発表をおこなっていく。また、必要に応じて環境変化による砂床地形の変形過程および流砂量の追加実験をおこなっていく予定である。
|
Causes of Carryover |
計算機シミュレーションにおいて想定しなかった砂床形態が見つかり、その要因の特定を明らかにするとともにこれまでの研究成果を論文にまとめ発表をおこなうため。
|
Expenditure Plan for Carryover Budget |
これまでの論文の作成、校閲および研究成果の発表に使用する。また、必要に応じて追加の実験をおこなうために使用する。
|
Research Products
(3 results)