2013 Fiscal Year Annual Research Report
メタマテリアルを用いた単一光子源の開発と輻射場制御
Project/Area Number |
24740270
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Research Institution | Fukuoka University |
Principal Investigator |
中山 和之 福岡大学, 理学部, 助教 (80602721)
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Keywords | メタマテリアル / 量子光学 |
Research Abstract |
メタマテリアルを用いた共振器電磁気学の研究を行った。特に金属-誘電体の混合多層膜で構成される非等方的な誘電率を持つハイパボリックメタマテリアルに着目し、多層膜の作製に重要な高精度なイオンビームスパッタ成膜装置の開発、そしてメタマテリアルを用いた輻射場の制御技術の開拓を目標とした。 まず高精度な多層膜構造の作製のために、成膜装置の膜厚をリアルタイムに計測することが可能な四検出器型エリプソメトリ (FDP) の研究開発を行い、従来の FDP を改良し最適化を行った。その成果は第74回応用物理学会秋季学術講演会において発表された。 また従来のメタマテリアルで研究されていなかった、サブ波長構造内の構造秩序に着目した準周期メタマテリアルを考案し、理論的な解析を行った。Ag と SiO2 を用いた準周期メタマテリアルを作成し、メタマテリアル近傍に置かれた量子ドットの蛍光寿命の減少を観測し、光と物質の相互作用の増強の立証に成功した。本研究により、メタマテリアルにおける構造秩序の有用性を示し、面発光レーザーを始めとするナノ構造を用いた光源開発、準結晶を研究する新たな実験系を提示した。本研究の成果は3rd Korea-Japan Metamaterials Forum や10th CLEO Pacific Rim 等の国際会議において発表された。 本研究ではストリークカメラを用いた光の強度測定を行ったが、メタマテリアルによって制御された光の量子性を計測するためには、単一光子検出器を用いたイベント間の相関を取る必要がある。今後は光子相関の実験をすすめ、制御された光の量子性について検証していく。
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Research Products
(3 results)