2013 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
24740279
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
二宮 和彦 大阪大学, 理学(系)研究科(研究院), 助教 (90512905)
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Keywords | ミュオン / ミュオン原子 / 量子ビーム / ミュオン捕獲過程 / ミュオン特性X線 / エキゾチック原子 |
Research Abstract |
茨城県東海村J-PARCミュオン施設において、1気圧以下の低圧の気体試料条件においてCO、CO2、COS、H2+CO2に対してミュオン照射を行った結果について詳細な解析、検討を行った。 CO、CO2、COS試料より得られた、ミュオン特性X線スペクトルを解析する事で、ミュオンがC原子もしくはO原子に捕獲される確率および捕獲された初期の準位について、計算シミュレーションとあわせて決定することができた。本研究より、予想しないことにこれらの3分子間でO原子への捕獲現象は互いに似通っているということがわかった。一方でC原子については、COと他の2原子との間で大きな違いが得られた。これらの違いについての解釈として、C原子の非共有電子の存在が大きく寄与しているという仮説を立て、C原子への非共有電子の影響を定量的に見積もった。この成果は、ミュオンを捕獲する原子の電子状態と、ミュオンの捕獲初期状態について定量的に対応を議論した初めての成果である。 同様にCO2とH2+CO2試料から得られたミュオン特性X線スペクトルについても詳細な検討を加えた。特にH2+CO2試料では統計が悪いものの、CO2試料の場合とC原子とO原子への捕獲確率や、それぞれの原子に捕獲されたときのミュオンの初期状態について、大きな違いが見られ、これはミュオン原子の形成過程が転移現象を経て起こっているということを明確に示しているデータが得られた。 これらの研究成果についてまとめ、今年度関連の学会発表を6件(うち国際学会3件、国内で1件招待)行い、また3件の原著論文を投稿した。
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[Presentation] Simultaneous and Multielemental Analysis by Muonic X-rays for Inside Japanese Bronze and Gold Coins2013
Author(s)
K. Ninomiya, M. K. Kubo, T. Nagatomo, G. Yoshida, M. Inagaki, A. Shinohara, T. Suzuki, N. Kawamura, P. Strasser, K. Shimomura, Y. Miyake, Y. Kobayashi, W. Higemoto, S. Sakamoto, T. Saito
Organizer
APSORC'13 - 5th Asia-Pacific Symposium on Radiochemistry
Place of Presentation
石川県金沢市
Year and Date
20130922-20130927
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[Presentation] Muonic Atom Formation by the Muon Transfer Process in C6H6 / C6H12 + CCl4 Mixtures2013
Author(s)
G. Yoshida, K. Ninomiya, A. Shinohara, T.U. Ito, W. Higemoto, T. Nagatomo, P. Strasser, N. Kawamura, K. Shimomura, Y. Miyake, T. Miura, M.K. Kubo
Organizer
APSORC'13 - 5th Asia-Pacific Symposium on Radiochemistry
Place of Presentation
石川県金沢市
Year and Date
20130922-20130927
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[Presentation] Study on muon capture process for gaseous molecules containing C and O atoms2013
Author(s)
M. Inagaki, K. Fujihara, G. Yoshida, K. Ninomiya, Y. Kasamatsu, M. K. Kubo, W. Higemoto, N. Kawamura, T. Nagatomo, Y. Miyake, T. Miura, A. Shinohara
Organizer
APSORC'13 - 5th Asia-Pacific Symposium on Radiochemistry
Place of Presentation
石川県金沢市
Year and Date
20130922-20130927
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[Presentation] J-PARC(MUSE) ミュオンビームを用いた地球惑星試料分析の実用化に向けて2013
Author(s)
寺田健太郎, 二宮和彦, 大澤崇人, 橘省吾, 三宅康博, 久保謙哉, 河村成肇, 髭本亘, 上椙真之, 土山明, 海老原充
Organizer
日本地球惑星科学連合大会年会
Place of Presentation
千葉県千葉市
Year and Date
20130519-20130523