2013 Fiscal Year Annual Research Report
レーザー駆動陽子線の新「追加速」手法:医学応用可能な100MeV級エネルギーへ
Project/Area Number |
24740280
|
Research Institution | Japan Atomic Energy Agency |
Principal Investigator |
西内 満美子 (高井 満美子) 独立行政法人日本原子力研究開発機構, 原子力科学研究部門 量子ビーム応用研究センター, 研究副主幹 (70391315)
|
Keywords | レーザー駆動イオン線 / プラズマ |
Research Abstract |
2000年に核融合用のレーザーを薄膜と相互作用させることで、高エネルギーのイオンが発生することが分かってから、レーザー駆動型のイオン線は、その類まれな特徴より多方面から応用として着目されている。過去の15年ほどの間にその電荷質量比が最大である理由から、陽子の加速のみが着目され続けていて、レーザー駆動型の陽子線の医療用小型加速器も一つの応用先として位置づけられている。しかしながら応用に資するには、さまざまな解決すべき点があり、その中の最も重要な項目は高エネルギー化である。本研究では独自のデザインのターゲットホルダ(繰り返し供給が可能)に薄膜を装着することで、陽子線の高エネルギー化を試みた。ターゲットで発生するイオンにダイナミカルな力を電場の力で与える。そのために、同時に発生する電子を使用するが、電子の挙動を変える目的でターゲットホルダの持つ形状を3種類選び、材質を金属および非金属で実験した。実験には関西研のJ-KARENレーザー(800nmの波長、パルス幅35fs,10乗のコントラストレベル)を用いた。ターゲットに対するピーク強度は1E21Wcm-2で、45度、0度の角度から照射した。ターゲットとしてはアルミの薄膜を用いた。ターゲットホルダを用いる場合とそうでない場合(テープターゲットを用いた)明らかに空間分布が違うイオンが発生した。一方で、最大エネルギーの増加はそれほど認められず、さらなるターゲットホルダの形の最適化、及び追実験が必要であると考えている。
|
Research Products
(3 results)