2014 Fiscal Year Annual Research Report
物理から細胞形態に迫る:多細胞モデルの構築と細胞間相互作用の制御
Project/Area Number |
24740292
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Research Institution | Tokyo University of Agriculture and Technology |
Principal Investigator |
柳澤 実穂 東京農工大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (50555802)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 細胞組織モデル / 細胞接着 / 自己組織化 / 界面張力 |
Outline of Annual Research Achievements |
複数の細胞から成る生物は、細胞の形と内部構造を細胞組織全体で制御している。この形と構造の自己組織的な制御機構を明らかにする上で、我々は細胞の空間配置と細胞間接着力に着目した。この二つの物理的特徴を制御可能とする細胞組織モデルを構築した上で、それらの相関関係を解明することが本研究の目的であった。はじめに、サイズの揃った細胞モデル(脂質単分子膜で覆われた高分子溶液のWOエマルション)を、細管に封入した高分子溶液を遠心力下で先端から放出することにより作成した。その後、マイクロマニュピュレーターを用いて細胞モデルを掴み、適切な配置を維持しながら互いに接着させて、細胞組織モデルを構築した。細胞間接着力は、細胞モデルの表面に働く界面張力と、脂質と細胞内に封入した高分子との相互作用によって制御可能であることが分かった。それゆえ、この細胞組織モデルは、脂質膜と高分子との相互作用を評価するモデル系としても有益なことが示された。また、二相分離する高分子混合溶液を封入した細胞組織モデルでは、細胞間の接着力がある閾値を超えると、相分離パターンが細胞の空間配置によって支配されることも分かってきた。このことは、細胞が互いに強く膜接着し合うことで、空間配置を介した構造制御が可能となることを強く示唆する。以上の成果は、原著論文として投稿中であり、また生物物理学会や物理学会などでの講演を介して広く発信した。
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Research Products
(11 results)