2013 Fiscal Year Research-status Report
光ファイバ変位計と精密機械工作を応用した高精度微気圧計の開発
Project/Area Number |
24740301
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
高森 昭光 東京大学, 地震研究所, 助教 (00372425)
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Keywords | 微気圧計 / インフラサウンド / 重力観測 / ネットワーク観測 |
Research Abstract |
本研究ではインフラサウンドの検出や重力観測のデータ補正などに用いるための微気圧計の開発を目的としている。特に、これらの応用では微気圧計を稠密に多点展開してネットワーク観測を行うことが重要と考えられているが、それに適した運用が容易で低コストなセンサーは市販されていない。従って、本研究ではそれらの条件を満たすために、大気圧変動による参照ベローズの変形を光ファイバセンサーで非接触検出するという方式を考案して、実際に微気圧計を試作して試験的な観測を行うことを計画した。 微気圧計を構成する要素のうち、参照用ベローズについて詳しく調べたところ、当初使用を予定していた溶接ベローズでは、気圧変動による伸び縮みをする際、変形方向によってヒステリシスを生じる非線形変形の問題が生じることが明らかになった。溶接部分の機械摩擦が原因と考えられる。これに対して、溶接箇所を持たない形成ベローズを用いることによってこの問題を解決できることも判明したが、その変形を検出するための光ファイバセンサーを組み込むことのできる大きさの形成ベローズは予算の制約により入手できず、小型で微気圧計用に設計された形成ベローズをのみ入手することができた。このため、当初計画を変更して光ファイバセンサーをベローズ外部に設置してその変形を読み取るよう設計の変更を行った。また、光ファイバセンサーに必要な部材を入手した。設計変更に対応するため、研究機関を延長することにした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
研究計画を立案した際、気圧変動を観測するための参照用に溶接ベローズを使用する予定であったが、調査を進めるうちに変形量の小さな微気圧変動に対しては非線形性が生じることが明らかになった。これに対応するために形成ベローズを入手したが、当初計画していた変位計測用の光ファイバセンサーを組み込むことができない大きさであったため、大幅な設計変更の必要に迫られた。その作業量の増加のため、当初計画より遅延が生じた。
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Strategy for Future Research Activity |
ベローズの種類の変更に対応するため、変形検出用の光ファイバセンサーをベローズ内部に収容する方式から、外部に配置するよう設計変更を行った。これによって装置は多少大きくなってしまうが、当初計画していた性能を達成できる見通しである。 新しい設計に基づいた微気圧計を試作して、市販の高精度気圧計との同時観測を行い、性能を評価して、研究を総括する方針である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
当初は溶接ベローズの内部に光ファイバセンサーを組み込み気圧参照に用いる予定であったが、形成ベローズが必要なことが判明し、研究計画の見直しを行った。微気圧計専用に設計された形成ベローズを入手することができたが、小型であったのでセンサーを内部に組み込むことができず、外側に取り付けるよう大幅な設計変更が必要となった。変更対応のために期間内の全額執行が困難となり、未使用額が生じた。 新しい設計に基づいた微気圧計に必要な部材を調達して試作機を完成させる。また、試作機との比較観測に用いるために、市販の気圧計を購入する。そのほかデータ解析に必要なコンピュータなどを調達して、試験観測を行うために使用する計画である。
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