2012 Fiscal Year Research-status Report
古地磁気によるスーパークロン比較研究:マントル活動の核への影響
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24740309
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Research Institution | Japan Agency for Marine-Earth Science and Technology |
Principal Investigator |
臼井 洋一 独立行政法人海洋研究開発機構, 地球内部ダイナミクス領域, 研究員 (20609862)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | 古地磁気学 / スーパークロン / ペルム紀 / 野外調査(中国) / 古地磁気強度 / 微小試料測定 |
Research Abstract |
まず、研究対象である中国・タリム盆地の玄武岩溶岩から古地磁気試料の採集を行った。これらの試料について基礎的な実験を行い、まず古地磁気方位が先行研究の報告と一致することを確認した。さらに、玄武岩直上から礫岩を採取し、古地磁気礫岩テストを行い、玄武岩試料の磁気記録が初期ペルム紀であることのより強い証明を新たに得た。玄武岩試料の一部から斜長石を分離し古地磁気強度実験を行った。測定試料が少ないため、この時期の平均的地磁気強度を制約することはまだ出来ていないが、タリム盆地のペルム紀玄武岩から古地磁気強度データを得ることが可能であることを初めて示した。これらの成果は国内学会で発表済みである。今後、古地磁気強度データの数を増やし信頼性を高めることで、研究目的であるスーパークロン時の地球磁場の振る舞いの解明が達成できる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
国外での試料採取は順調に進行している。試料に対する分析も予定通り行なっており、特に礫岩テストと単結晶古地磁気強度実験は、新たに購入した熱消磁装置を用い計画よりも早く成功しつつある。一方で、岩脈の露出地点が地理的に離れていたため、十分な数の岩脈試料は採取できておらず、磁気異方性データは未だ不足している。しかしこれは次年度の研究でカバーできると考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
必要な実験環境の整備は概ね完了したので、今後は採取した試料について、単結晶古地磁気強度実験を行い、古地磁気強度データの数を増やし信頼性を高める。追加の試料採取を、特に岩脈試料を中心に行う。これらから得られる十分な数の試料を用い、古地磁気方位と磁気異方性のデータを得る。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
1. 単結晶古地磁気強度実験の精度を高めるための磁場発生コイルおよび直流電源を購入する。2. 試料採取のための旅費およびレンタカー代として使用する。
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