2013 Fiscal Year Annual Research Report
古地磁気によるスーパークロン比較研究:マントル活動の核への影響
Project/Area Number |
24740309
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Research Institution | Japan Agency for Marine-Earth Science and Technology |
Principal Investigator |
臼井 洋一 独立行政法人海洋研究開発機構, 地球内部ダイナミクス領域, 研究員 (20609862)
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Keywords | 古地磁気強度 / ペルム紀 / スーパークロン |
Research Abstract |
本研究は、超大陸形成と地磁気変動との関連を念頭に、ペルム紀スーパークロン時の古地磁気強度を推定することを目的としている。数値シミュレーションからスーパークロン時には地磁気強度が強いと言われているが、実際の地質記録はあまり得られていない。平成25年度はまず、中国・タリム盆地の玄武岩溶岩中の斜長石を用いた古地磁気強度復元実験を行った。調査地域には2グループの溶岩流が存在し、数百万年間の間を空けて噴出したと考えられている。各グループについてテリエ法を用いた古地磁気強度復元実験を行った。全岩試料は一つの溶岩流を除き古地磁気強度実験がうまく行かなかったが、斜長石単結晶の測定により、各グループにつき2-3つの溶岩流の測定に成功した。グループごとに平均を取ると、2グループは異なる古地磁気強度を示した。1つのグループは現在より1.2倍程度強い地磁気強度を示したが、もう1つのグループは現在の半分程度のち時期強度を示した。これはスーパークロン時の地球磁場は必ずしも安定ではないことを示唆する結果である。この成果は国際学会で発表予定である。さらに、成果を論文発表するために、古地磁気データの補強とそれぞれの溶岩流グループの年代推定を現在進めている。 本研究では珪酸塩単結晶を用いた古地磁気実験装置の整備も目的であった。平成24年度に、新たに熱消磁装置を購入しており、平成25年度はその装置を利用して約33億年前の岩石の分析を行い、古地磁気強度について現在と余り変わらないという予察的な結果を得ている。
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