2013 Fiscal Year Research-status Report
準結合同化システムのブリーディング法による海洋観測システム評価研究
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24740324
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Research Institution | Japan, Meteorological Research Institute |
Principal Investigator |
藤井 陽介 気象庁気象研究所, 海洋・地球化学研究部, 主任研究官 (60343894)
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Keywords | 観測システム評価 / TAO/TRITONアレイ / アルゴフロート / 熱帯太平洋観測システム / 観測システム実験 / データ同化 / TPOS2020 |
Research Abstract |
米国政府の予算削減により、2012年の夏から熱帯係留ブイの観測データ配信率が40%以下に落ち込むという問題が生じた。これを受け、本研究でこれまでに開発した手法により、データ同化プロダクト(熱帯太平洋域の係留ブイ及びアルゴフロートデータによる)及び季節予報システムに対するインパクトの検証を行った。 実験では、アルゴフロートデータを20%-100%除外して同化する実験、係留ブイのデータの一部又はすべてを除外した同化実験、アルゴフロートと係留ブイのデータの両方を同化した実験などを実施した。また全ての実験において、20%のアルゴデータを同化には利用せず、参照データとして同化結果の精度評価に利用した。 上記の実験により、データ同化及び季節予報において、熱帯係留ブイデータとアルゴデータの両方が、相補的なインパクトを持つことを確認した。 特に、データ同化結果の精度に対するインパクトについては、太平洋赤道域東部では、フロートの数を増やすことが有効で有ることが示唆され、西部では、熱帯係留ブイの効果が比較的大きく、水温に対してはアルゴデータと同程度であることが示された。 さらに、熱帯係留ブイのデータ取得率の低下を受けて開催された熱帯太平洋観測システムの概要を策定するためのワークショップ(2014年1月)へ参加し、上記の結果の他、世界各国の研究機関で行われた観測システム評価実験の結果についてNOAA/CPCやECMWFの担当者等と協力して発表を行うと共に、会議に付随して作成される白書を主著者として執筆に加わった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
熱帯係留ブイの観測データ配信率の低下を受けて、今後、熱帯太平洋域において有効な観測を継続するために効果的な情報を、本研究の成果として、発信することができた。また、観測システム評価に関する国際的な研究交流への参加、推進なども行ってきた。今後は、これまでの成果を論文にまとめることにより、本研究の大体の目的を達成することができると考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、平成25年度行った観測システム評価実験の結果を論文にまとめる。また、結合ブリーディングや特異ベクトル法などを用いて、変動予測の不確定性とデータ同化のインパクトが大きい海域との関連性について調査することを検討する。また、平成25年度に作成した白書の学術論文への投稿などを通して、観測システム評価に関する国際的な研究協力を継続していく。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
平成二五年度に予定されていた、GODAE Ocean View 観測システム評価チームワークショップの開催が今年度に延期されたため、次年度使用額が生じた。 平成26年度に開催が予定されているGODAE Ocean View 観測システム評価チームワークショップ参加のための旅費として使用する。
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Research Products
(7 results)
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[Presentation] Evaluation of the Tropical Pacific Observing System from the Ocean Data Assimilation Perspective2014
Author(s)
Fujii Y, Cummings J, Xue Y, Schiller A, Lee T, Balmaseda M, Remy E, Masuda S, Alves O, Brassington G, Comuelle B, Martin M, Oke P, Smith G, Yang X
Organizer
A future Sustained Tropical Pacific Ocean Observing System for Research and Forecasting
Place of Presentation
La Jolla, USA
Year and Date
20140127-20140127
Invited
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[Presentation] Operational Forecasting System2014
Author(s)
Balmaseda MA, Kumar A, Anderson E, Takaya Y, Anderson D, Janssen P, Fujii Y
Organizer
A future Sustained Tropical Pacific Ocean Observing System for Research and Forecasting
Place of Presentation
La Jolla, USA
Year and Date
20140127-20140127
Invited
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[Presentation] Overview of Observing System Evaluation in GODAE OceanView2013
Author(s)
Oke P, Larnicol G, Balmaseda M, Weaver A, Bertino L, Sakov P, Brassington G, Cummings J, Hogan P, Fujii Y, Kourafalou V, Lea D, Martin M, Mehra A, Remy E, Smith G, Tanajura C, Tianyu Z, Bell M, Dombrowsky E, Hernandez F, Lindstrom E, Schiller A, Bonekamp H
Organizer
GODAE Ocean View Symposium 2013
Place of Presentation
Baltimore, USA
Year and Date
20131104-20131106
Invited
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[Presentation] エルニーニョと同化研究2013
Author(s)
藤井陽介, 豊田隆寛, 安田珠幾, 安藤健太郎, 杉浦望実, 蒲地政文
Organizer
2013年度日本海洋学会秋季大会シンポジウム「太平洋・インド洋の熱帯気候変動研究:過去から未来へ」
Place of Presentation
北海道大学札幌キャンパス, 北海道札幌市
Year and Date
20130917-20130917
Invited
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