2013 Fiscal Year Research-status Report
衛星観測データを統合した大気汚染物質の濃度・排出量分布の長期再解析
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24740327
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Research Institution | Japan Agency for Marine-Earth Science and Technology |
Principal Investigator |
宮崎 和幸 独立行政法人海洋研究開発機構, 地球環境変動領域, 主任研究員 (30435838)
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Keywords | データ同化 / 大気汚染 / オゾン / 窒素酸化物 / 衛星観測 |
Research Abstract |
平成24年度に構築した大気微量成分に関する再解析システムと、NASA, ESA, KNMIが提供するOMI, TES, MLS, MOPITTによる最新の衛星観測リトリーバルを用いて、対流圏における大気微量成分の過去8年間の再解析計算を実施した。再解析データの品質は、データ同化に利用していない各種独立観測データを用いて検証した。独立観測データには、SCIAMACHYやGOME-2などの衛星観測に加えて、NASAおよびIAGOSが提供する航空機観測キャンペーン、WDCGGによる地上観測、WOUDCおよびSHADOZによるゾンデ観測による情報を利用し、対流圏鉛直積算濃度のみならず鉛直プロファイルや地表濃度の地理分布についても詳細を検証した。本再解析では対流圏化学に含まれる多くの化学種を解析対象としているが、その中でもO3, NO2, HNO3, CO, CH2Oに着目し、再解析における全球分布の季節・経年変動を調査した。さらに、衛星観測データの信頼性やアンサンブル計算から見積もられるモデルの信頼性などに基づき、データ同化時に取得される各種統計情報を調査することで、再解析品質の特徴と長期安定性を明らかにした。また、データ同化を行っていないモデル計算結果についても同8年間について同様の検証を行い、データ同化の有無による再現性の違いを明らかにした。これらの情報は、再解析品質の向上のみならず、モデル改良に向けた提言を与える有用な情報となることが期待できる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の計画通り、複数の衛星観測データを用いた長期再解析計算と、独立観測データを用いた検証を実施した。当初の計画では5年間程度の再解析計算を実施することを目標としていたが、計算効率の最適化や各種解析アルゴリズムの効果的な開発を実現し、予定よりも長い8年間の再解析計算を実施することを可能とした。より長期間を対象とした再解析計算は、各種排出源や大気環境の経年変動要因を調査する上で大変有用であり、当初の計画と同等もしくはそれ以上の進展が得られているものと判断する。
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Strategy for Future Research Activity |
作成した再解析データを更に詳しく解析し、その特徴を明らかにする。また、地表面排出量の推定結果を解析し、その長期的な変動の特性と要因を明らかにする。また、複数の異なる化学輸送モデルを予報モデルとして用いた計算を実施する準備をし、データ同化に用いる予報モデルの性能が再解析による濃度の再現性と排出量推定に及ぼす影響を明らかにする。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
研究成果発表が予定よりもやや遅れており、そのための経費を次年度に使用することとなったため。 再解析計算により得られた知見の成果発表のための論文出版代金および会議出張費を計上するとともに、新たに得られる解析結果の保存と解析のために計算機周辺機器を購入する。
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Research Products
(5 results)