2014 Fiscal Year Annual Research Report
ブラソフモデルに基づく次世代プラズマシミュレーション技法の研究
Project/Area Number |
24740338
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Research Institution | Japan Agency for Marine-Earth Science and Technology |
Principal Investigator |
簑島 敬 独立行政法人海洋研究開発機構, 数理科学・先端技術研究分野, 研究員 (00514811)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 宇宙プラズマ / ブラソフシミュレーション / 磁気リコネクション |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、次世代の宇宙プラズマ第一原理シミュレーション手法として提案されているブラソフシミュレーションに適した高精度計算手法として、マルチモーメント移流法を開発し、超多次元ブラソフシミュレーションへの適用を目指すものである。 平成26年度は、前年度に投稿していた有限体積型マルチモーメント移流法と、実空間2次元・速度空間3次元の5次元電磁ブラソフシミュレーションへの適用結果について、論文として発表した(Minoshima et al. 2015, 187, 137-151)。 ブラソフシミュレーションでは速度空間が有限のため、速度空間境界付近の物質が計算領域外に失われ、質量保存が破れてしまう固有の問題が存在する。この問題は速度空間領域を広げることで軽減することができるが、解像度を固定して広げてしまうと、計算量が膨大になってしまう。そこで static mesh refinement 法をマルチモーメント移流法に導入し、計算量をそれほど増やすこと無く、広い速度空間領域を扱うことが可能となった。本手法のブラソフシミュレーションに対する効率について、今後の数値計算により評価を行う。 ブラソフシミュレーションと磁気流体シミュレーションの連結階層シミュレーションの検討を行い、無散逸問題に対しては良好な結果が得られた。しかし、実問題の多くは散逸を伴う。ブラソフシミュレーションではこれは正しい物理過程として記述されるが、磁気流体シミュレーションでは適切なモデル化が必要であり、考察と検討を進めている。 本研究の結果、我々が開発したマルチモーメント移流法、及びそれを用いたブラソフシミュレーションコードが実問題に十分適用できる高精度技術であることが示された。
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