2012 Fiscal Year Research-status Report
天然ガスを含むクラスラシル鉱物の生成機構に関する研究
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24740359
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Research Institution | National Museum of Nature and Science, Tokyo |
Principal Investigator |
門馬 綱一 独立行政法人国立科学博物館, 地学研究部, 研究員 (30552781)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | シリカ鉱物 / 結晶構造 / 炭素循環 |
Research Abstract |
本研究課題では、天然ガス分子を含む特殊なシリカ鉱物について、その結晶化学的な性質と、地球科学的な視点での形成環境、天然ガス分子の起源について明らかにすることを目的とする。 1年目となる平成24年度は、放射光X線と実験室での単結晶X線回折実験、予備的な炭素同位体測定、およびフィールド調査を行った。単結晶X線回折実験では、千葉石と、もう一種類の新鉱物候補の常温での構造解析に成功した。また、千葉石は、20~30℃付近で相転移を起こし、高温では立方晶系、低温では正方晶系の結晶構造をとることが確認された。 炭素同位体測定に関しては、十分な量の試料を確保することが難しいことから、予備的な結果に留まるが、少量の千葉石を含む石英脈の測定を行い、-33.4±2.0 permilとの値を得た。この値は、メタン生成菌由来(-50から-110permil)より熱分解起源のメタンの値(-25から-50 parmil)に近く、地質環境から推察された成因を支持する。ただし、石英を含めた試料全体の測定であるため、試料中の炭素含有量が非常に少なく、現段階では誤差が大きい。また、石英中の流体包有物等の影響や、結晶が1000℃程度の高温まで安定であるために、燃焼法では全てのガスが乖離していない可能性が排除できない。こうした問題点については、合成試料を用いた比較実験も合わせて、今後検証を行う予定である。 フィールド調査に関しては、千葉県に次いで、長野県内から、世界で2番目となる千葉石の産出を確認した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
結晶構造解析については、ほぼ計画通りに進んでいる。炭素同位体測定に関しては、初年度の予備的測定に関しては計画通り目的を達したが、試料、および測定法の両方の制約から、より厳密な議論を行う上では、より一層の工夫や検証実験が必要である。一方、フィールド調査に関しては、新たな千葉石産地が発見できたことで、研究試料を大幅に拡充できる見通しが立った。新産地の地質は、原産地とは大きく異なっており、千葉石自体も、含まれるガス組成の比率や、相転移温度、結晶外形などにおいて、原産地のものと違いが見られる。そのため、結晶化学的議論においても、天然ガス分子の起源や、形成環境の解明に関しても、当初計画に比べて、「多様性と共通性」をより鮮明にできるはずである。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度は長野県のフィールド調査を重点的に行い、可能な限り試料を確保するとともに、周辺地質の調査を行う。長野県産千葉石は、露出が非常にローカルな火山岩体中の亀裂を充填するように産出する。しかし、火山岩中に多量のメタンが含まれたとは考えにくく、火山岩が未固結の堆積岩に貫入した際に、堆積岩由来の有機物と火山岩の熱により、千葉石が形成されたと推察される。そのため、火山岩体の周辺も含めた調査を行う。 また、長野県産試料のラマン分光分析や単結晶構造解析、炭素同位体測定などを進める予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
地質調査において、大型試料のサンプリングを業者に依頼する費用として約30万円、旅費として30万円、消耗品費・その他に50万円を見込んでいる。
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Research Products
(18 results)
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[Journal Article] Shimazakiite-4 M and shimazakiite-4 O, Ca2 B2 O5, two polytypes of a new mineral from Fuka, Okayama Prefecture, Japan2013
Author(s)
I. Kusachi, S. Kobayashi, Y. Takechi, Y. Nakamuta, T. Nagase, K. Yokoyama, K. Momma, R. Miyawaki, M. Shigeoka, and S. Matsubara
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Journal Title
Mineralogical Magazine
Volume: 77
Pages: 93–105
DOI
Peer Reviewed
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[Journal Article] Chevkinite-(Ce) in tuff at Heguri, Boso Peninsula, Chiba Prefecture, Japan2012
Author(s)
Miyawaki, R., S. Matsubara, K. Yokoyama, K. Momma, T. Sano, Y. Tsutsumi, M. Shigeoka and K. Nishikubo
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Journal Title
Bulletin of the National Museum of Nature and Science, Series C
Volume: 38
Pages: 7-13
Peer Reviewed
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[Journal Article] Experimental visualization of lithium conduction pathways in garnet-type Li7La3Zr2O122012
Author(s)
Han, J., J. Zhu, Y. Li, X. Yu, S. Wang, G. Wu, H. Xie, S. C. Vogel, F. Izumi, K. Momma, Y. Kawamura, Y. Huang, J. B. Goodenough and Y. Zhao
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Journal Title
Chemical Communications
Volume: 48
Pages: 9840-9842
DOI
Peer Reviewed
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[Presentation] Silica clathrate minerals from Boso Peninsula, Japan2012
Author(s)
Momma, K., T. Ikeda, T. Nagase, N. Takahashi, M. Takada, K. Nishikubo, C. Honma, M. Koda, Y. Furukawa, R. Miyawaki and S. Matsubara
Organizer
7th International Conference on Mineralogy and Museums
Place of Presentation
Dresden
Year and Date
20120827-20120829
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[Presentation] We, NMNS, have moved!2012
Author(s)
Uchio, Y., R. Miyawaki, K. Momma and S. Matsubara
Organizer
7th International Conference on Mineralogy and Museums
Place of Presentation
Dresden
Year and Date
20120827-20120829
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