2013 Fiscal Year Annual Research Report
高速偏光分光法を利用したECRプラズマ生成過程における非等方電子計測法の開発
Project/Area Number |
24740367
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
四竈 泰一 京都大学, 工学(系)研究科(研究院), 講師 (80456152)
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Keywords | 偏光 / プラズマ分光 / リチウム原子 / プローブ / 核融合 / ECR |
Research Abstract |
本研究の目的は,電子サイクロトロン共鳴(ECR)加熱を利用したプラズマ生成過程における電子エネルギー分布関数(EEDF)の非等方性を,非等方な電子衝突励起による原子発光線の偏光を利用して空間・時間分解して計測するための手法を開発することである.このために,プラズマ中に入射したシート状熱リチウム原子ビームから生じるLiI 2s-2p発光線の偏光を分光測定し,偏光方向と偏光度から非等方電子成分の磁力線に対する運動方向及びそのエネルギーを推定する.研究期間の最終年度であるH25年度は,(1)小型ECRプラズマ実験装置を利用した計測法の原理検証実験,(2)方向性プローブを利用したEEDF非等方性の測定,を行った. (1)カスプ磁場中で2.45 GHz,830 Wのマイクロ波を用いて生成したヘリウムプラズマに熱リチウム原子ビームを入射し,ビームに垂直な方向からLiI 2s-2p発光線を観測した.まずは定常状態で干渉フィルタ,直線偏光板,CCDを用いた偏光イメージ測定を行った.その結果,偏光度と偏光方向の空間分布が観測され,本研究で提案する原理を利用してEEDFの非等方性を測定することが可能であることが確認された.次に,前年度に開発した高速偏光分光計測システムを用いた空間・時間分解計測を試み,ストークスパラメータを時間分解して測定できることを確認した. (2)(1)と同じ条件下で方向性プローブを用いてEEDFの非等方性を測定した.EEDFの磁力線に平行・垂直な成分が独立であると仮定できる場合,プローブ電極の法線方向を磁力線に平行・垂直方向に向けて電子を捕集することで,EEDFの平行・垂直成分をそれぞれ観測することが原理的に可能である.シース理論にもとづいてこの測定原理を定式化し,測定を行った.その結果,磁力線に垂直方向にバルク温度に対して有意に大きなエネルギーを持つ電子成分が存在することが確認された.
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