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2013 Fiscal Year Research-status Report

低衝突拡張磁気流体モデルを用いた巨視的プラズマ不安定性に対する微視的効果の解明

Research Project

Project/Area Number 24740375
Research InstitutionNational Institute for Fusion Science

Principal Investigator

伊藤 淳  核融合科学研究所, ヘリカル研究部, 助教 (70413987)

Keywordsプラズマ物理 / 電磁流体力学 / プラズマ不安定性
Research Abstract

拡張磁気流体モデルを用いた線形固有モードの数値解析により、Kelvin-Helmholtz不安定性に対する二流体及び有限ラーマー半径効果の影響を詳細に調べた。これまでに行われている解析的な線形固有モード解析に比べ、有限のシアー層をもつ連続的な平衡プロファイル、有限ベータ、非一様温度などのより一般的な条件に対して数値解析を行うために、数値計算コードの改良を行った。行列計算コードに高次精度の差分を導入することで、滑らかなプロファイルをもつ広い領域の中で、これらの効果によって微小スケールの構造をもつ固有関数を正しく計算できるようにした。このコードを用いて、Kelvin-Helmholtz不安定性のベータ値依存性の、二流体効果と有限ラーマー半径効果の有無と流れの向きの違いに対する影響を明らかにし、研究協力者が行った拡張磁気流体シミュレーションの線形段階において見られた、臨界ベータ値以上で短波長領域において安定化から不安定化に転じる現象を確認した。
抵抗性の巨視的不安定性に対する有限ラーマ―半径効果の流体方程式のクロージャ条件に対する依存性の研究を行った。従来、巨視的不安定性の解析に用いられる二流体方程式系は衝突頻度の高いプラズマに対するものであり、より低衝突のプラズマに対する流体方程式では、有限ラーマ―半径効果を表す項に現れる磁力線に平行な方向の熱流束が無視できない。このような効果を含んだ、低衝突プラズマにおけるより高精度な不安定性の線形固有モード解析に必要な固有モード方程式系を導出した。
拡張磁気流体モデルを用いた安定性解析を行うために必要な平衡モデルの研究を行った。スラブ平衡に対しては、先行研究で用いられている平衡を極限として含む、より一般化されたモデルを構築した。トロイダル平衡に対しては、流れをもつ平衡に対する磁気座標の構築および有限要素法を用いた簡略化二流体平衡コードの開発を行った。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

Rayleigh-Taylor及びKelvin-Helmholtz不安定性の解析において、より一般的な条件を考え、二流体及び有限ラーマー半径効果によって微小スケールの構造をもつ固有関数を正しく計算するために行列計算コードをすることで、非線形拡張MHDシミュレーションと直接比較が可能な条件で線形固有モード解析ができるようになり、二流体と有限ラーマー半径効果が両方含まれている場合に、これまでにない結果が得られた。また、抵抗性の巨視的不安定性に対する有限ラーマ―半径効果の流体方程式のクロージャ条件に対する依存性を解析するための線形固有モード方程式を導出することができたため、それを用いた数値解析が可能となった。そして、先行研究との比較を行いながら、より一般的な、さまざまな条件で解析を行うために必要な平衡モデルを構築した。以上の結果をもとに、引き続き最終年度に解析を行うことで目的は達成されるので、順調に進展しているといえる。

Strategy for Future Research Activity

抵抗性の巨視的不安定性に対する有限ラーマ―半径効果の流体方程式のクロージャ条件に対する依存性の研究を進める。導出した線形固有モード方程式を数値的に解き、低衝突プラズマでは無視できない有限ラーマー半径効果への熱流束の寄与を明らかにする。数値解析には、Rayleigh-Taylor及びKelvin-Helmholtz不安定性の解析に用いた行列計算コードを抵抗性の巨視的不安定性の解析ができるように改良し、詳細な解析を行う。海外の研究協力者のもとに一週間程度滞在し、研究をまとめるための打ち合わせを行う。
拡張磁気流体モデルを用いたRayleigh-Taylor及びKelvin-Helmholtz不安定性の線形固有モード解析を引き続き行う。これまでに共同研究者が行ったシミュレーションで得られた線形挙動における微視的効果の複雑な影響を、線形固有モード解析による広範なパラメータサーベイ及び解析的な分散関係式が得られる簡約化されたモデルを用いた解析によって物理機構を解明する。また、これまでは二つの不安定性を別々に解析していたが、これらが同時に存在する場合を考え、シアー流をもつプラズマにおける巨視的不安定性に対する微視的効果の影響を明らかにする。

Expenditure Plans for the Next FY Research Funding

次年度に一度の海外出張で学会発表と海外の研究協力者との打ち合わせを行うことで、旅費を効率的に使用するため。
海外の研究協力者が所属する機関に一週間程度滞在し、研究のまとめのための打ち合わせを行う。

  • Research Products

    (3 results)

All 2014 2013

All Journal Article (1 results) (of which Peer Reviewed: 1 results) Presentation (2 results)

  • [Journal Article] Hall and Gyro-Viscosity Effects on the Rayleigh-Taylor Instability in a 2D Rectangular Slab2014

    • Author(s)
      R. Goto, H. Miura, A. Ito, M. Sato and T. Hatori
    • Journal Title

      Plasma and Fusion Research

      Volume: 9 Pages: 1403076 1-8

    • DOI

      10.1585/pfr.9.1403076

    • Peer Reviewed
  • [Presentation] 高ベータ簡約化MHDモデルにおけるポロイダル音速程度の流れをもつ平衡とその安定性2013

    • Author(s)
      伊藤淳、中島徳嘉
    • Organizer
      日本物理学会2013年秋季大会
    • Place of Presentation
      徳島大学(徳島県徳島市)
    • Year and Date
      20130925-20130928
  • [Presentation] Toroidal Equilibria with Flow in High-Beta Reduced Magnetohydrodynamic Models2013

    • Author(s)
      A. Ito and N. Nakajima
    • Organizer
      12th Asia Pacific Physics Conference of AAPPS
    • Place of Presentation
      幕張メッセ(千葉県千葉市)
    • Year and Date
      20130714-20130719

URL: 

Published: 2015-05-28  

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