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2012 Fiscal Year Research-status Report

偏光計を用いた核燃焼プラズマのための磁場、電子密度及び電子温度の再構成法の研究

Research Project

Project/Area Number 24740376
Research InstitutionJapan Atomic Energy Agency

Principal Investigator

今澤 良太  独立行政法人日本原子力研究開発機構, 核融合研究開発部門, 任期付研究員 (50587053)

Project Period (FY) 2012-04-01 – 2014-03-31
Keywordsプラズマ・核融合 / プラズマ計測 / 偏光計測
Research Abstract

核融合の磁場閉じ込め方式の1つであるトカマク方式において、内部磁場構造(つまりは電流密度分布)の同定は長時間維持・高性能化を目指した運転には不可欠である。電流密度分布の同定手段として、核燃焼プラズマ装置においても実現性の高い偏光計に着目した。偏光計のデータは磁場と電子密度の積の線積分量に対応するが、核燃焼時の高温プラズマでは偏光計データが相対論効果により電子温度にも依存するようになる。本研究では偏光計データから電流密度、電子密度及び電子温度を再構成することで、核燃焼プラズマ装置で実用的な電流密度分布の同定手法を確立するだけでなく、新しい電子温度計測法も確立することを目的としている。当該年度の成果として、プラズマ偏光計において有限温度効果が分離可能であることを初めて実証した。まず、相対論効果を考慮した変形ストークス方程式の近似解を導出し、偏光状態パラメータである方位角と楕円率角が電子密度と電子温度に対して異なる依存性を示すことを明らかにした。これに基づき、方位角と楕円率角から電子密度と電子温度の再構築を行う原理を考察した。この原理を用いて平衡及び運動論的分布の再構築を行った結果、総プラズマ電流が既知である場合と未知である場合の両者において、電流密度、電子密度及び電子温度の分布の再構築に成功した。総プラズマ電流が未知である場合の電流密度分布の再構築では、時間履歴に依存しない計測データから総プラズマ電流が求まっており、定常運転に適用可能な新しい総プラズマ電流計測手法を開発したものといえる。
また、偏光計のデータに測定誤差がある場合の、本手法の誤差を評価した。ITERで想定されている視線レイアウト及び測定誤差の場合、電流密度、電子密度及び電子温度の誤差はそれぞれ、10 %、10 %及び30 %程度であることを明らかにした。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

1: Research has progressed more than it was originally planned.

Reason

偏光計の測定データから電流密度、電子密度及び電子温度の分布を再構築するには、電流密度、電子密度及び電子温度の分布を磁気面の関数として表し、関数の係数を測定データと整合するように定める必要がある。当初の計画通り、当該年度に実施した研究の成果として、偏光計の測定データから電流密度関数の係数、電子密度関数の係数及び電子温度関数の係数を決定すること実証し、偏光計を用いた電子温度測定の実現性を示した。本研究で考案した手法は、時間履歴に依存しない計測データから総プラズマ電流を算出できるため、定常運転に適用可能な総プラズマ電流計測とも言える。本研究で考案した係数決定手法は、想定したよりも良条件であったため、当初計画していた事項を一部割愛でき、次年度に計画した事項の一部に着手した。着手した事項は、本手法の精度評価と解析コードの高速化に適用できるメッシュレス法を用いたプラズマの力学的平衡解の解法の開発である。以上により、本研究は当初の計画以上に進展しているものと言える。

Strategy for Future Research Activity

当初の計画通り順調に研究が進展しているため、今後の研究の推進方策も当初の研究計画通り行うものとする。本研究で開発したメッシュレス法を用いたプラズマの力学的平衡解の解法を、偏光計の測定データからプラズマ電流密度関数の係数、電子密度関数の係数及び電子温度関数の係数を決定する計算コード(CUPIDコード)に統合し、CUPIDコードの高速化を行う。高速化したCUPIDを用いて、視線数や計測データの誤差の増減による、内部磁場分布、電子密度分布及び電子温度分布の測定精度を評価する。「ランダムに誤差を与えた後に内部磁場、電子密度分布及び電子温度分布の再構成を行う」ということを繰り返すことにより、再構成の精度をモンテカルロ的に評価することが可能である。正確に精度評価を行うには多数のサンプルが必要であり、高速なCUPIDコードの開発は必須である。最後に精度評価の結果に基づき、DEMO炉などの将来の核融合炉への適用可能性を評価する。

Expenditure Plans for the Next FY Research Funding

研究費は並列計算ソフトウェア及び成果発表に使用する。並列計算ソフトウェアは汎用GPUに対応した解析ソフトウェアであり、これによりCUPIDコードの高速化を実現する。成果発表先としては、アメリカの物理学会を想定している。

  • Research Products

    (2 results)

All 2012 Other

All Journal Article (1 results) (of which Peer Reviewed: 1 results) Presentation (1 results)

  • [Journal Article] Separation of finite electron temperature effect on plasma polarimetry2012

    • Author(s)
      R. Imazawa, Y. Kawano and Y. Kusama
    • Journal Title

      REVIEW OF SCIENTIFIC INSTRUMENTS

      Volume: Vol.83, 123507 Pages: 1-5

    • DOI

      10.1063/1.4770330

    • Peer Reviewed
  • [Presentation] 核燃焼プラズマにおける偏光測定法を用いた電子温度測定の性能評価

    • Author(s)
      今澤 良太、河野 康則、伊丹 潔、草間 義紀
    • Organizer
      日本物理学会 第68回年次大会
    • Place of Presentation
      広島大学 東広島キャンパス

URL: 

Published: 2014-07-24  

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