2013 Fiscal Year Annual Research Report
サブナノ径を有する超微細金ナノロッドの系統的合成法の開発と光機能探索
Project/Area Number |
24750001
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
七分 勇勝 北海道大学, 地球環境科学研究科(研究院), 助教 (10446255)
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Keywords | クラスター / ロッド / 電子構造 / 幾何構造 / 光化学特性 |
Research Abstract |
本研究では、研究代表者が見出している四面体伸長型の金コアを有するユニークな金クラスター群を基軸に、多座ホスフィン配位子を用いてサブナノメートルの直径(0.6 nm未満)を持つ超微細金ナノロッドの合成法開発の検討を行った。目的とした金ナノロッド合成は出来なかったものの、合成法開発の過程から、これまでに見出されている両端が突出した形状とは異なる片端のみが突出したペンシル型の金ナノロッドの発見に成功した(単結晶X線構造解析による構造決定)。これまでは両端が等価なロッドのみしか報告がなかったが、両端が非等価なものが得られたことで、この新奇金ナノロッドの基礎的な性質に興味が持たれる。そこで、金ナノロッドの光吸収特性を調べるために紫外・可視吸収スペクトル測定を行った結果、両端が等価なタイプのものと同様に可視光領域に一本の強い吸収帯が確認された。また、金ナノロッドの幾何構造と吸収特性の相関を詳細に調べるために密度汎関数法(DFT)に基づく理論計算により電子構造解析を行ったところ、金コア内におけるHOMO(最高被占有軌道)からLUMO(最低空軌道)への電子遷移に帰属され、こちらも両端が等価なタイプと同様な結果となった。たかだか1 nm程度(金属原子数が10個程度)という超微細なサイズ領域において、系統的な原子数・金配列制御が実現されたナノ構造に関する基礎特性を明らかにした本研究は、今後のナノ材料開発に大きな設計指針を与えるものとして意義深い。
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Research Products
(6 results)