2013 Fiscal Year Annual Research Report
界面電子授受における振動状態の寄与解明のための電場印加型探針増強ラマン分光法開発
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24750009
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| Research Institution | Chiba University |
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Principal Investigator |
野本 知理 千葉大学, 工学(系)研究科(研究院), 助教 (00510520)
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| Keywords | ラマン分光法 / 界面 / 振動分光法 |
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| Research Abstract |
分子を用いた様々なエレクトロニクス・光エネルギー変換デバイス等では、界面の電子の授受に関わる反応速度が起電力や内部抵抗、反応速度に大きな影響を与えている。こうした界面の微細な凹凸や吸着構造・組成は、反応速度に大きな影響を及ぼすはずであるが、一般的な振動スペクトルにより回折限界を超えた観測を行うことは困難である。
本研究では、界面の電子授受への分子間振電相互作用の寄与に関する情報を得るため、当初は探針－試料間に電場を印加した探針増強ラマン分光測定装置の開発を当初目指した。しかし、空気中の測定では電位変化によるスペクトル変化と試料の酸化・退色によるスペクトル変化を判別することが難しいという問題が発生した。ゆえに空気中で探針と試料間の電圧を制御するのではなく、水中にＴＥＲＳの探針を導入し、試料の電位を制御して電極表面のＴＥＲＳ信号を得ることで、光エネルギー変換界面の表面電位に応じたＴＥＲＳ信号を得ることを目指すことにした。しかし電位制御以前にＴＥＲＳを水中に適用した例はほとんどなく、探針を水に浸すことで銀・誘電体コーティングが剥離してしまうことも報告されていた。そこで、本研究では電解研磨タングステン探針上に陽極酸化アルミナと銀をコートすることで水中でも安定な探針の開発を行い、水中の脂質膜のＴＥＲＳスペクトルを得た。また、電解研磨銀探針などの探針作製法も試みて性能の比較を行い、より微細な試料について、吸着分子のＴＥＲＳ増強の確認を試みた。さらに水中に参照電極と対極を配置して探針を電解質溶液中に浸して試料の電位を制御し、電気化学環境下でのＴＥＲＳ測定を試みた。銀薄膜に吸着させた複数のチオール系分子について測定を試みたところ、ＴＥＲＳ増強が確認されたもの、確認されなかった場合があった。より安定した計測が今後の課題である。
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Research Products
(2 results)
