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2013 Fiscal Year Annual Research Report

C2ラジカル双極子禁制遷移の直接観測

Research Project

Project/Area Number 24750010
Research InstitutionThe University of Tokyo

Principal Investigator

中島 正和  東京大学, 総合文化研究科, 助教 (20361511)

KeywordsC2 / 摂動 / スピン軌道相互作用 / c状態
Research Abstract

C2分子のd-c遷移についてレーザー励起スペクトルを測定し、c状態の各振動準位における分子定数を正確に決定した。d-c遷移のv=3-1バンドはd-a(v=3-7)バンドのスペクトルと重なって観測されることから、遷移の下状態であるc(v=1)とa(v=7)間で回転準位の交差があることが明らかになった。この準位交差によって生じる摂動を解析し、c(v=1)とa(v=7)間の相互作用定数を決定した。
摂動解析で得られた分子定数を用い、c(v=1)とa(v=7)状態の項値を正確に再現すると、1重項のA(v=2)状態と、3重項であるa(v=7)状態のF2スピン副準位がJ=19, 21準位で非常に近接(約3cm-1)していることが明らかになった。A(v=2)状態のJ=19, 21準位では摂動による項値のシフトが報告されており、本研究の結果から、このシフトがa(v=7)状態のF2スピン副準位とのスピン-軌道相互作用によって生じていることが分かった。ただし、この準位シフトの正負までを正しく説明するためには、C2の1重項-3重項エネルギー差を、これまで報告されていた値よりも3cm-1以上大きく見積もる必要があると結論した。
「C2分子の1重項-3重項のエネルギー差を正確に決定する」という本研究の目的は、間接的にではあるが、上記の摂動解析を通してある程度達成することができたといえる。分光学的によく知られていると思われていたC2でさえも、1重項-3重項エネルギー差という重要な分子定数が、文献値よりも3cm-1以上も改善される結果となった。本研究で得られた1重項-3重項エネルギー差を用いることで、異重項間遷移の励起スペクトルを直接観測するために必要となる遷移周波数と強度を、より高い精度で見積もることが可能である。

  • Research Products

    (2 results)

All 2013 Other

All Journal Article (1 results) (of which Peer Reviewed: 1 results) Presentation (1 results)

  • [Journal Article] Spectroscopic observation of higher vibrational levels of C2 through visible band systems2013

    • Author(s)
      Masakazu Nakajima and Yasuki Endo
    • Journal Title

      The Journal of Chemical Physics

      Volume: 139 Pages: 244310-1-9

    • DOI

      10.1063/1.4851436

    • Peer Reviewed
  • [Presentation] C2分子a3Πu-c3Σu+状態間の摂動解析

    • Author(s)
      中島正和・遠藤泰樹
    • Organizer
      第14回分子分光研究会
    • Place of Presentation
      東京大学駒場キャンパス(東京都目黒区)

URL: 

Published: 2015-05-28  

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