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2012 Fiscal Year Research-status Report

電場下におけるイオン液体中の金属イオン溶媒和構造の解明

Research Project

Project/Area Number 24750019
Research Category

Grant-in-Aid for Young Scientists (B)

Research InstitutionSaga University

Principal Investigator

梅木 辰也  佐賀大学, 工学(系)研究科(研究院), 助教 (00384735)

Project Period (FY) 2012-04-01 – 2015-03-31
Keywordsイオン液体 / NMR / 化学シフト / リチウム電解液
Research Abstract

電場下における溶液構造を分子レベルで明らかにすることはリチウムイオン二次電池など蓄電池用電解質溶液の開発において極めて重要である。しかし、これまでに電場下の溶液構造を調べた研究報告例はほとんどない。本研究では、電場下におけるイオン液体中の金属イオン溶媒和構造を明らかにすることを目的としている。
本年度は、1-オクチル-4-アザ-1-アゾニアビシクロ[2.2.2]オクタンをカチオンとするイオン液体([C8dabco][TFSA])に着目し、そのTFSAアニオンのNMR化学シフトを1-オクチル-3-メチルイミダゾリウムをカチオンとしたイオン液体([C8mim][TFSA])の結果と比較した。その結果、[C8dabco][TFSA]のカチオン-アニオン間相互作用は[C8mim][TFSA]より弱いことがわかった。
[C8dabco][TFSA]を溶媒とするLiTFSA溶液のNMR化学シフトを測定し、LiTFSA溶解にともなう化学シフト変化を調べ、その結果を[C8mim][TFSA]溶液の結果と比較した。その結果、どちらのイオン液体中でもTFSAアニオンはリチウムイオンと相互作用していることがわかった。また、[C8dabco][TFSA]溶液中のリチウムイオンは[C8dabco]カチオンとも相互作用することが明らかとなった。一方、[C8mim][TFSA]溶液中におけるリチウムイオン-カチオン間相互作用は認められなかった。[C8dabco][TFSA]中におけるリチウムイオン-カチオン間相互作用は[C8dabco]カチオンの高いルイス塩基性に起因していると考えられ、リチウムイオン溶媒和構造がアニオンと同様にカチオンの設計によっても制御できることを示唆している。
NaTFSA電解質の調製と電場印加測定セルの作製にも取り組んだ。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

ブチル基側鎖にn-ブチル基、sec-ブチル基、iso-ブチル基、tert-ブチル基をもつ[C4mim]カチオンからなる4種類の塩([C4mim][TFSA])を合成した。n-ブチル基を除く3種類の塩はどれも高い融点を示し、イオン液体とはならなかった。そこで、新たに1-オクチル-4-アザ-1-アゾニアビシクロ[2.2.2]オクタンをカチオンとしたイオン液体([C8dabco][TFSA])を合成した。そのイオン液体について、多核種のNMR化学シフトを測定し、リチウムイオン-[C8dabco]カチオン間相互作用を見出した。また、電場印加NMR測定セルを製作した。さらに、平成25年度からの実施を予定していたNaTFSA電解質の合成も行った。

Strategy for Future Research Activity

今年度は非電場下におけるイオン液体中のリチウムイオン溶媒和構造をNMR化学シフト測定により明らかにした。次年度はさらに、イオン液体中のナトリウムイオンやベリリウムイオンの溶媒和構造を調べ、溶媒和構造に及ぼす金属イオンサイズや電荷密度効果について検討する。また、作製した交流電場印加NMRセルを用いて[C8dabco][TFSA]や[C8mim][TFSA]を溶媒とするLiTFSA溶液のNMR化学シフトを測定し、電場下におけるリチウムイオン溶媒和構造についても検討する。

Expenditure Plans for the Next FY Research Funding

平成25年度は、イオン液体[C8dabco][TFSA]と[C8mim][TFSA]の追加合成ならびに電解質Be(TFSA)2の新規合成のため、薬品とガラス器具を消耗品経費として使用する。また、平成24年度に得られた結果を京都で開催される33rd International Conference of Solution Chemistry、北海道で開催される第36回溶液化学シンポジウム、大阪で開催される電気化学会第81回大会、フランスで開催されるEuropean Molecular Liquid Group / Japan Molecular Liquid Group annual meeting 2013にて成果発表するため、旅費を使用する。

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Published: 2014-07-24  

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