2014 Fiscal Year Annual Research Report
無機ハロゲン化物の酸化を利用した環境低負荷型分子変換法の開発
Project/Area Number |
24750033
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
森山 克彦 千葉大学, 理学(系)研究科(研究院), 助教 (00509044)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | アルカリ金属塩 / 臭素 / 酸化反応 / ハロゲン化反応 / 極性転換 / 環境低負荷型反応 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、無機ハロゲン化物の酸化による環境調和型分子変換法の開発を目的とし、特にアルカリ金属ハロゲン化物を利用した有機ハロゲン化剤代用型反応及び重金属代用型反応を中心とした研究を遂行している。平成26年度の成果として、有機ハロゲン化剤代用型反応については、臭化カリウムの臭化物イオンの酸化的極性転換を利用したαー置換アルケニルカルボン酸誘導体のジアステレオ選択的ブロモラクトン化反応が高いジアステレオ選択的に進行することがわかった。興味深いことに、アルケニルカルボン酸からはcis体が、アルケニルアミドからはtrans体が主生成物として得られ、本反応によるα、γー二置換γーブチロラクトンの作り分けに成功した。また、本手法を用いたブロモニウムイオンは有機臭素化剤であるN-ブロモスクシンイミド(NBS)よりも高い活性を持つことがわかり、従来の臭素化反応よりも優れた方法であることを示すことができた。さらに、本反応を鍵反応としたDubiusamine C の不斉全合成を9工程、総収率36%で達成した。 重金属代用型反応については、電子求引性保護型アミンの酸化的Strecker反応を検討した。Strecker反応は様々な機能性分子の中間体となるαーアミノニトリルを合成することができる重要な反応である。しかし、原料となるアルジミンは比較的不安定であるため、安定なアミンから直截的な反応は有用な方法である。従来、重金属を用いた酸化的Strecker反応が報告されているが、いずれも電子供与性保護型アミンの反応である。本研究では、アルカリ金属臭化物及び酸化剤を用いた電子求引性保護型アミンの酸化的Strecker反応が円滑に進行し、目的のαーアミノニトリルが高収率で得られた。
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Research Products
(14 results)