2012 Fiscal Year Research-status Report
革新的なイソシアニドの付加ー捕捉手法を基盤とする合成反応の新展開
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24750037
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
添田 貴宏 金沢大学, 物質化学系, 助教 (10506819)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | イソシアニド / 多成分反応 |
Research Abstract |
イソシアニドは同一炭素上に求核性と求電子性を共に有し、特異な反応性を示す有用な化合物である。本研究ではイソシアニドの革新的付加-捕捉手法の開拓というコンセプトに基づき、触媒的不斉Passerini型反応の開発、Ugi型反応等の新規高効率的合成反応の開発を目的とする。イソシアニドを用いる反応では潜在的に2つの結合をワンポットで生成することができるため、新コンセプトに基づいてイソシアニドの利用範囲を拡大することができれば、21世紀型の環境に優しい有機合成反応開発へ広く展開可能となる。平成24年度は、①イソシアニドを鍵とする新規[4+1]付加環化反応、②イソシアニドを鍵とする新規[5+1]付加環化反応、について研究を進めた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
①イソシアニドを鍵とする新規[4+1]付加環化反応に関しては、酸触媒存在下、反応が迅速かつクリーンに進行する反応系を見出すことができ、アミノオキサゾール誘導体を簡便に得る方法を開発することができた。また、本手法はアミノチアゾール誘導体合成へ拡張することができた。②イソシアニドを鍵とする新規[5+1]付加環化反応に関しては、N’-アシルアゾメチンイミンとイソシアニドとの[5+1]付加環化反応が進行することを見出したが、さらに鎖状型N’-アシルアゾメチンイミンへとの反応を検討した。現在数例であるが、触媒非存在下において環化反応が進行することを見出した。
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Strategy for Future Research Activity |
まず、①イソシアニドを鍵とする新規[4+1]付加環化反応に関しては、反応の最適化が終了段階にあるので、基質一般性について検討する。②イソシアニドを鍵とする新規[5+1]付加環化反応に関しては、種々の反応条件を検討して最適化を行った後、基質一般性について検討する予定である。 また、③光学活性なボリン酸触媒の創成と不斉Passerini型反応への展開 や、④立体選択的O-silylative Passerini反応の開発については、現在開発が滞っているため、早急に取り組む予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
有機化学反応のための試薬類やガラス器具、精製のためのシリカゲル、構造決定に必須な、核磁気共鳴分析用(NMR測定)のための重溶媒類である。また、光学活性化合物の純度測定のための液体クロマトグラフィー用カラムを計上する予定である。また、不安定物質の調整に必要なグローブボックスを計上する予定である。 また、得られた実験結果を学会や論文で発表するために論文投稿費や学会参加の為の経費を予算に計上する予定である。
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