2012 Fiscal Year Annual Research Report
アップコンバージョンFRETによる超分子不斉光増感法の開発
Project/Area Number |
24750040
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
楊 成 大阪大学, 大学院・工学研究科, 助教 (70456995)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | キラル光化学 / FRET / アップコンバージョンナノ粒子 / シクロデキストリン誘導体 / 増感反応 |
Research Abstract |
キラル光化学は、触媒や酵素による従来法を補完・短縮・代替する不斉合成法として注目を浴び急速に発展しつつある新領域である。 しかし、励起分子の寿命が短く、相互作用が弱いなどの原因で、光化洋反応の不斉制御は極めて困難な課題である。本研究はアップコンバージョンナノ粒子を利用することで、FRETによる新規キラル増感法を確立することを目的とする。 本年度はシクロデキストリンで修飾したアップコンバージョンナノ粒子の合成について研究を行った:まずは、ナノ粒子の表面を化学修飾するため、一級側及び二級側にアミノ基やカルボン酸基を導入したγ-シクロデキストリン誘導体を合成した。これらシクロデキストリン誘導体の構造をNMRスペクトル法(1次元2次元パルス法)とその他の勇法(MS, IR,及びWスペクトル法など)の組み合わせによって決定した。また、アップコンバージョンナノ粒子の合成及び性質の評価をした。ゾル-ゲル法による希士類をドープしたナノ粒子の合成を試み、ナノ粒子を生産する技術を確立した。得られたナノ粒子の微細構造を走査型電子顕微鏡や透過電子顕微鏡を用いて解析し、ナノ粒子に関するアップコンバージョン発光性質については蛍光分光により評価を行った。その結果、高圧法により合成されたナノ粒子は,最も小さな中心経(240nm)を有し高温法により合成されたナノ粒子とほぼ同じサイズであることが分かった。また、共沈法により得られた複合微結晶のほとんどがサイズ360nmの球状微結晶であることがわかり、ナノ粒子の直径が合成法に関与することが明らかになった。
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