2012 Fiscal Year Research-status Report
ビス(ジピリナト)亜鉛錯体の逐次錯形成を利用した分子フォトニックワイヤの構築
Project/Area Number |
24750054
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
坂本 良太 東京大学, 理学(系)研究科(研究院), 助教 (80453843)
|
Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2014-03-31
|
Keywords | 分子フォトニックワイヤ / オプトエレクトロニクス / 光導波路 / ジピリン / 亜鉛錯体 / 蛍光 / FERT |
Research Abstract |
(1) アンカー、架橋、末端ジピリン配位子の合成 (i)アンカージピリン配位子としては、基板との結合サイトとしてカルボン酸末端を有するものの合成に成功した。また、BF2保護体(BODIPY)ではあるものの、リン酸基を有する化合物の合成にも成功している。(ii)架橋ジピリン配位子としては、3種類の分子の合成を終えている。(iii)末端ジピリン配位子は、現在2種類の分子の準備を終えた。 (2) MPWのボトムアップ構築法の確立 (i)溶液中において、3種の光励起ポテンシャル勾配を有する二核亜鉛錯体の合成に成功した。また、光励起ポテンシャル勾配にしたがった定量的な励起エネルギー移動の観測にも成功している。(ii)基板上のボトムアップ合成については、現在リン酸基を有するBODIPYのITO電極上への固定化に成功しているが、固定密度が小さいのが現状である。より高密度での固定化を実現するため、基板のBODIPY・ジピリン溶液への浸漬など、条件検討を進めたい。 (3) その他の研究成果 (i)メゾ位にアリールアルキニル基を有する新規BODIPYの合成に成功した。(ii)アザジピリナト配位子とジピリナト配位子を1つずつ有する、ハイブリッド亜鉛錯体の合成に成功した。(iii)ビス(テルピリジン)金属錯体の電極界面におけるボトムアップ合成に関して、様々な知見を得た。例えば、その優れた超距離電子輸送能に対して、各構成要素(アンカー、架橋、末端テルピリジン配位子、および金属イオン種)が与える影響を定量した。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ワイヤの作成に関しては、当初の研究計画からは遅れ気味である。一方で、【研究実績の概要】で挙げた通り、当初予想していなかった研究成果を多数挙げることができた。論文数としてもかなりの数を発表することができている。
|
Strategy for Future Research Activity |
今後は、研究の進捗が遅れ気味である、基板上におけるビス(ジピリナト)亜鉛錯体金属ワイヤのボトムアップ合成法の確立に注力したい。具体的な工夫としては(1)ITOだけでなく、ガラスや石英基板を用いる。(2)基板の前修飾を行う(例えば、石英基板をAPTESで処理し、その後アンカージピリン配位子を固定化する)。アンカー配位子固定化後のワイヤの伸長については、ビス(テルピリジン)金属錯体の電極界面におけるボトムアップ合成に関する知見を利用する。
|
Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
基本的には試薬などの物品費に充当する。ただし、研究の総まとめとなる論文の英文校正費への支出も行う。
|
Research Products
(9 results)