2012 Fiscal Year Research-status Report
超大気圧における生体分子イオンの生成および運送の研究開発
Project/Area Number |
24750067
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Research Institution | University of Yamanashi |
Principal Investigator |
チェン リー チュイン 山梨大学, 医学工学総合研究部, 助教 (40585577)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | 高気圧イオン源 / エレクトロスプレー / 質量分析 / 超大気圧 / 水溶媒 / 蛋白質 |
Research Abstract |
本研究は大気圧より高い作動圧力下での生体分子イオンの生成と輸送法を開発することを目的としている。本年度はそのためのエレクトロスプレー及びナノエレクトロスプレーを用いた超大気圧イオン源の製作が完了した。特製イオン導入チューブを使用し、市販のリニアイオントラップ質量分析計への装着も成功した。そしてメカニカルブースターポンプを導入し、質量分析計の排気速度の調整も可能になって、オン源の圧力が大気圧を超えても質量分析計の真空度を一定にすることが出来た。超大気圧の環境で生成したエレクトロスプレーの様子を観察するための顕微鏡レンズとカメラシステムの構築を行った。水溶媒サンプルでイオン源システムの評価実験を行う、イオン電流とイオン源気圧の依存性を調べた。超大気圧下では、絶縁破壊がより高電圧側に移行するのに対し、エレクトロスプレーの開始電圧は環境圧力に依存しないことを確認し、従来型のエレクトロスプレーイオン化法で困難であった水溶媒サンプルの分析対して、コロナ放電等の擾乱なしに、正イオンモードおよび負イオンモードのいずれにおいても、高感度に質量分析が実現することを実証した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度は超大気圧エレクトロスプレーイオン源の製作、差動排気部の改造及び質量分析計への結合が完了し、イオン源の評価実験ができて、研究が順調で進んでいる。
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Strategy for Future Research Activity |
高ガス圧環境下で、イオンと分子の平均自由行程が非常に短く、ラプラス方程式に基づいてイオン光学系の典型的なシミュレーションは正確ではないため、イオン導入系の改良について空間電荷、対流、流体力学的な効果を考慮する必要があります。 超大気圧エレクトロスプレーイオン化法は水溶媒サンプルの測定に対して従来法より高感度であり、この技術を実際の生体試料の研究に広げるために、医学部との共同研究が必要。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
該当なし
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Research Products
(4 results)