2013 Fiscal Year Annual Research Report
ミクロスケール電気泳動に基づく高性能ブロッティング分析デバイスの開発
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24750068
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Research Institution | Osaka Prefecture University |
Principal Investigator |
末吉 健志 大阪府立大学, 工学(系)研究科(研究院), 助教 (70552660)
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Keywords | キャピラリー電気泳動 / マイクロチップ電気泳動 / ブロッティング分析 / タンパク質分析 / ゲル電気泳動 / アフィニティ電気泳動 |
Research Abstract |
本研究課題「ミクロスケール電気泳動に基づく高性能ブロッティング分析デバイスの開発」について、総合的な研究に取り組んだ。本課題は,生命科学分野において必須の分析技術であるブロッティング分析における問題点である「長い分析時間,煩雑な実験操作,多量の試薬」を解決することで,その進展に貢献することを目的とした。その実現ため,市販のキャピラリー電気泳動分析装置や電気泳動分析用マイクロチップを用いた新規ブロッティング分析法を考案し,短時間,簡便,省試薬量な分析の実現を目指して実験を行った。 (1) アルギン酸ヒドロゲルは,アルギン酸および添加するカルシウムの濃度によって構造が変化することが知られている。そこで,本研究ではキャピラリー内に充填したアルギン酸ナトリウム溶液に対して,電気泳動によって種々の濃度のカルシウムイオンを加えることで,異なる構造のヒドロゲルを作製することを試みた。その結果,混合比を最適化することで種々のDNAのサイズ分離が可能となること,アルギン酸自体の構造の違いがゲル構造およびサイズ分離能に影響を与えることがそれぞれ見出された。 (2) アルギン酸ナトリウム溶液にアビジンを添加したものをキャピラリー内に充填し,その後カルシウムイオンを電気泳動によって導入することで,アビジンがゲル構造の中に閉じ込められ,キャピラリー内に固定化されることを見出した。また、固定化されたアビジンは、ビオチンに対する高い活性を維持したままであることを確認した。 (3) アビジン内包ヒドロゲル充填キャピラリーをを用いたビオチン標識試料のアフィニティ電気泳動分析法を開発した。その結果,標識試料のみが捕捉され,それ以外の試料はゲル充填部を通過し,検出されることが確認された。また、イミノビオチン標識試料の濃縮と溶離が可能であることを見出し、生体試料に対する選択的かつ高感度な分析法として確立した。
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