2014 Fiscal Year Annual Research Report
自己発光型無機ナノシート/酵素複合体による高精度バイオイメージング法の創製
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24750072
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Research Institution | Saga University |
Principal Investigator |
宗 伸明 佐賀大学, 農学部, 准教授 (90336008)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 無機ナノシート / 酵素 / 発光 / バイオ材料 |
Outline of Annual Research Achievements |
最終年度である本年度は、まず有機蛍光色素であるフルオレセインイソチオシアネートに着目し、無蛍光性の無機ナノシートに固定化された西洋ワサビペルオキシダーゼの触媒反応によって、ルミノールからフルオレセインイソチオシアネートへの化学発光共鳴エネルギー移動が生じるかを検討した。最初に、フルオレセインイソチオシアネートと西洋ワサビペルオキシダーゼを炭酸ナトリウム水溶液中において反応させ、反応溶液を遠心式限外濾過フィルターにて精製した。得られたイソチオシアネート標識西洋ワサビペルオキシダーゼをチタン酸無機ナノシートと複合化し、ルミノールを基質とした化学発光反応を行ったが、期待した化学発光共鳴エネルギー移動は起こらなかった。そこで次に、フルオレセインイソチオシアネートと近い励起蛍光波長を有するアミン修飾蛍光ビーズに着目した。本蛍光ビーズを西洋ワサビペルオキシダーゼの存在下、チタン酸無機ナノシートと酢酸緩衝液中で混合すると、蛍光ビーズ/西洋ワサビペルオキシダーゼ/チタン酸無機ナノシート複合体が形成された。この複合体に対して、化学発光基質としてルミノール誘導体(L-012)を添加すると、期待した化学発光共鳴エネルギー移動現象に由来する蛍光ビーズの蛍光を観測することができた。 研究期間全体を通じた成果として、まず固相法と液相法の二種の手法で、無機ナノシートの合成を行った。液相法では、ユウロピウムを含有する無機ナノシートの合成も行い、ユウロピウム含有量が増大するに従い、蛍光強度が増大することを確認した。また、蛍光ビーズ/西洋ワサビペルオキシダーゼ/チタン酸無機ナノシートの複合体を作製し、この複合体に対して化学発光基質であるルミノール誘導体を利用すると、化学発光共鳴エネルギー移動現象に由来する蛍光を観測することができた。
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Research Products
(6 results)