2013 Fiscal Year Annual Research Report
イミンと二酸化炭素ガスからのワンポットによるアミノ酸の触媒的不斉合成
Project/Area Number |
24750081
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
美多 剛 北海道大学, 薬学研究科(研究院), 助教 (00548183)
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Keywords | アミノ酸 / 二酸化炭素 / 固定化 / アミノシラン / フッ化セシウム / イミン / 遷移金属錯体 / 不斉合成 |
Research Abstract |
平成25年度は、我々の開発した銅触媒によるN-tert-ブチルスルホニルイミンへの不斉シリル化で、そのより高い不斉収率の獲得を目的に、錯体触媒のスクリーニング、およびプロトン性の添加剤の再検討を行った。その結果、配位子として1,2-ジアリール-1,2-エチレンジアミン型の配位子が有効に働くことが分かった。またこの配位子を用いた場合、配位子の芳香環上の電子的な影響を受けることがわかり、電子求引性の置換基を導入するに従い収率、不斉収率共に低下することが確認された。銅錯体に対して触媒的に進行させるためにはプロトン源(アルコール)の添加が必須であり、アルコールが嵩の高い程、不斉収率が向上することがわかった。検討の結果、2,6-キシレノールが非常に良いプロトン源として作用し、高い収率、不斉収率で目的のシリル化体が得られた。 得られた光学活性なN-tert-ブチルスルホニル-α-アミドシランはフッ化セシウム存在下、DMF中-20 ℃で1 atmの二酸化炭素と反応させることで、目的のカルボキシル化が立体保持で進行し、TMSジアゾメタンによるエステル化を経ることでα-アミノ酸誘導体を高い不斉保持率で得ることに成功した。この立体特異的なカルボキシル化は五配位のフルオロシリカートを経由して進行していることを、19F-29Sn HMQC解析によって確認した。我々の研究室で以前に報告しているα-アミノスズを用いたカルボキシル化に比べ、スズ試薬の毒性を回避できただけでなく、二酸化炭素の高圧条件や高温条件を必要としない温和な条件で不斉が保持され、光学活性なα-アミノ酸誘導体が得られたことは特筆すべき点である。
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Research Products
(18 results)