2013 Fiscal Year Annual Research Report
炭素―窒素系多座配位子を有する不斉金属触媒による炭素骨格構築法の開発
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24750084
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| Research Institution | Nagoya University |
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Principal Investigator |
伊藤 淳一 名古屋大学, 工学(系)研究科(研究院), 講師 (20402480)
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| Keywords | 不斉金属触媒 / 多座配位子 / ピンサー型錯体 / オキサゾリン配位子 / カルベン配位子 |
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| Research Abstract |
炭素・窒素複合型の多座不斉補助配位子を備えた新規金属錯体の合成とそれを触媒とする分子変換反応の開発を目的として研究を実施した。金属－炭素結合を分子内に有する非対称型アニオン性多座配位子を有する金属触媒を標的として、非対称分子構造に由来する不斉反応場の電子状態と立体環境の精密制御、反応の立体制御のための水素結合能の獲得、金属と基質間の電子移動能などの多機能性を備えた分子触媒の構築を目指した。その結果、フェニルオキサゾリンを基本骨格として、アミノ基やN－ヘテロ環状カルベンを組み合わせた多座配位子を合成した。ここに、ロジウムとルテニウムを導入することによって、種々のピンサー型錯体の合成に成功した。これらの触媒では、α、β－不飽和エステルの不斉共役還元反応や、アルデヒドの直接的不斉アルキニル化反応に対して触媒活性を示すことを明らかにした。また、不活性分子のC-H結合活性化反応についても検討した。ここでは、NCNピンサー型イリジウム錯体がベンゼン誘導体のC-H結合切断反応に有効であり、ジボランを用いたベンゼン類の触媒的C-Hボリルが進行することを見出した。また、イリジウム錯体は化学的に不活性なアルカン類のC-H活性化に有効であり、対応するアルキル錯体が得られることを明らかにした。新規金属錯体の合成では、オキサゾリン－カルベンから構成される複合三座配位子を設計し、対応するロジウム錯体をC-H活性化反応により合成した。さらに、そのロジウム錯体を触媒とする不斉アルキニル化反応を見出した。
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